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小説の墓場

剣舞の錬金術師 第三話「紅の目」

第三話「紅の目」

 

前回につづき、マイルズは、ロイ・マスタング大佐の部下として、着任することになった。短い期間だが、リザ・ホークアイ中尉と並ぶ部下として行動を共にすることになるだろう。

*******

 

マイルズは、仮住まいの部屋で夏用の軍服に着替えると、部屋を出た。

 

 

<ふむ。マイルズ、これから三ヶ月、ロイマスタングの部下として働きつつ、午後は錬金術の勉強をするからには、頑張ってもらうぞ?>

 

「ああ、分かっている。エミヤこそ、錬金術の勉強を念入りに頑張ってくれ」

 

<ああ、すべての魔術スキルを駆使して読破してみせよう>

 

「頼もしい限りだ」

 

ホテルをでて、マイルズはここを立つ前に準備していた、雪原用グラスの代わりである、度なしメガネに掛け替えた。

 

まさか、錬金術師になるために中央にくるとはな。思いもしなかったな。少将のライバルであるマスタング大佐の部下になるとはいえ、あちらも少将の力量を垣間見る魂胆だろうな。気を引き締めて気丈に構えなくてはならないか。

 

マイルズは、中央司令部に入った。マスタング大佐の部屋の前に立った時、背後から気配がした。

 

「マイルズ小佐でありますか?」

「ん?ああ、そうだが?」

「私は、リザ・ホークアイ少尉です。マスタング大佐の補佐をしております」

「ほう。これはこれは。短い間ですが、よろしく」

「はい、こちらこそ。扉の前ではなく続きは部屋の中でしましょう」

 

ガチャ・・・・・・

 

「ん?おお。マイルズ君だね。ようこそ。わがホームへ」

 

マスタング大佐は、まるで旧友に会うかのように、笑顔で迎えた。

 

「この度、中央司令部・マスタング大佐の下に着任いたしました、マイルズ・アインシュトー小佐です。三ヶ月の間ですが、よろしくおねがいします」

「ああ、よろしく頼む。北方司令部ではアームストロング少将の下で活躍をしていると聴いている。こちらでも短い間だがよろしくたのむよ。そうそう、こっちに来ている目的である錬金術師になるための勉強時間も、任務としてあるから、安心して構わない。そして何か錬金術で困ったことがあれば、私に聴いて欲しい。焔の錬金術師として役に立とう」

「ありがとうございます」

「よろしくたのむよ。あと、こっちではそこまで厳しくないから、リラックスして構わない。事件などが起きたら緊張することは当たり前だが、ここではブリックスほどに厳しい場所ではないからな。ここでは、心の余裕を保つことを重要事項として帯びて欲しい」

「了解しました。では、よろしく頼みます」

「ああ、それでいい」

 

大佐と話し終えたあと、ホークアイ中尉が歩み寄った。

 

「では、こちらの席で事務処理から始めてもらっていいでしょうか?この書類を作成後は、中央図書館にて錬金術の勉強を自由にやってもらって構わないです」

「了解した」

 

マイルズは、自分用に割り振られた席に座り、書類に手をかけた。北方司令部司令部では側近としてアームストロング少将についていたので、書類などをするのは久しぶりであった。

 

<エミヤ、書類の類は得意か?>

<まさか、英雄が書類の海に埋もれていたと思うか?>

<・・・・・・いや、思わないな。失礼だったか>

<いや、生前に学生として生きていた頃もあったから大丈夫だ。私が変わろう>

<ああ、よろしく頼む>

 

「ふむ。この手の書類は、ささっと・・・」

 

隣の席には、ジョン・ハボック少尉がいる。

 

「よろしくおねがいしますね。小佐。ジョン・ハボック少尉です」

「ああ、よろしく頼む。ハボック少尉」

「まあ、ここでは事件が起きない限り、基本書類の作成ですので、地味な作業がほとんどですけど、よろしくお願いしますね。何か書類の作成で困ったことがあったら、聴いてくださいね。力になりますよ」

「了解した。その時は頼むぞ」

「はい!」

 

そうして、書類作成を始めた。その早さは、慣れているハボックよりも格段に早い。エミヤのスキルの内、高速事務処理を発動したためだ。いくらはやいとは言え、文字の綺麗さは劣っていない。アメストリ語がいくらマイルズ・アインシュトーから情報があるとはいえ、早すぎる。

 

「・・・なんという早さ。俺のサポートは必要ないっすね。どこでそんな技術を・・・?」

「ああ、これは研究書の作成において習得したものさ。側近としての軍務時間の合間をとって作成していたのでな、早く書類を執筆することができるようになったのさ」

「左様で。すいません、指揮官としてのスキルが高くて、事務処理の早さは普通だと思っていました」

「まあ、普通はそう思うだろう。謝る必要はないさ」

「おお。ありがたいです」

 

すると、書類の山が頭三つ分くらいあったものが、ものの二十分くらいあったものがスッキリ書き終えていた。

 

驚いていたハボックは、一言、

 

錬金術師になる人って、人一倍すごい人がなるんですかね」

「そうかもしれんな。・・・ホークアイ中尉、確かこの後は自由に勉強していていいと言っていたな?」

「・・・・・・あ、はい。錬金術の勉強をしてください」

「了解した。では大佐、これより中央図書館に行ってきます」

「ああ、了解した。勉学に励んでくれ」

「はっ!」

 

そしてマイルズは部屋を後にした。

 

マイルズが退室した後、部屋では、大佐がぐったりしていた。

 

「あー。緊張したな。生真面目な存在とは骨が折れる」

「まったく、大佐はもうすこし緊張感をもって職務についてほしいのですが・・・・・・」

「中尉の意見がもっともですよ、大佐」

「ハボック、そこは共感するところだろう。まあ、ああゆう性格の人材も欲しいところだな」

「何、ヘッドハンティングするおつもりですか?これ以上人数を増やしたら、他の部署から小言を言われますよ」

「ごもっとも、だが、そういわれるとやりたくなるのだがな・・・フフフ」

 

なにやら、何かを画策しているようだが、そんな大佐は後にしてマイルズのほうに戻ろう。

 

マイルズは、セントラルシティにある国立中央図書館にやってきた。ここにはあらゆる書物が納められており、錬金術に関する勉強にはとても相性がいいところだ。

 

<ようやくだな。マイルズ>

<ああ。午後はここでじっくり勉強してくれ>

<そうするよ>

 

マイルズは、錬金術の書物が多い、国立中央図書館第一分館へ向かった。そこには、Dr.マルコーの書物もあるのだが、それさえも解読しかねないようだ。

 

「すまないが、本を読みにきたのだが、カード登録をしたいのですが・・・・・・」

?「・・・・・・」

 

受付の女性は、本を読むのに集中している。まるで周囲が見えていないようだ。

 

「ふむ。どうしたものか」

 

<私に良いアイデアがある>

<アイデア?なら試してくれ>

<了解した>

 

エミヤは表面にでて、懐から取り出すように、ある長い紙上のものを投影した。それは、ハリセンと呼ばれる、古来からツッコミ役にとっての宝具であり、武器である。これの真名を解放するには、熟練した能力が必要だが、エミヤは熟練のスキルを持つ。真のツッコミ役だからだ・・・・・・そんな話は関係ないか。では、その真価を発揮しよう。

 

「目覚めよ!」

 

スッパンッッッッッ!!!

 

?「いったぁぁぁぁ!!・・・・・・でもあまり痛くない!?」

 

分館受付嬢をやっているシェスカは、読書中にいきなり叩かれたものだから、悲鳴をあげた。

 

「やっと、目覚めたか。君、ここの図書カードを作成してくれないかな?」

「あ!ごめんなさいごめんなさい!受付カードですね?はい。では名前を教えてください」

「私の名前は、マイルズ・アインシュトー。階級は小佐だ。以前は北方司令部に在籍していたが、特殊任務のために三ヶ月の間、ここ中央司令部にいる。そこでその権利としてここ、中央図書館の内外の蔵書、秘匿蔵書の閲覧権限を与えられている。よって、通常のグリーンカードではない、ブラックカードの作成を求める」

「すごい!ブラックカードの作成なんですね!はい。分かりました」

 

<おい、エミヤ、そんな権限は与えられていないのだが>

<いいじゃないか。大総統も許してくれるさ。それに秘匿図書を解読できるほどの人材なのならば、国家錬金術師に是非ともなってもらわなければならないだろうさ>

<まあ、確かにそうだな。低レベルならば、難解の専門書は読めないからな>

<そうだろう?ならとことんやってみるほうがいいだろうさ>

 

「はい!できました。これで秘匿図書室やなにやらまで閲覧権限を与えます!」

「ありがとう。助かるよ」

「はい!何かお困りの時は、私、シェスカをお呼びください!」

「そうか。シェスカ、その時は頼むよ」

 

そうしてまず、エミヤは普通図書の中の錬金術に関する本を片っ端からテーブルに乗せていった。その数はおよそ100冊ほどだ。それをエミヤは、超速読術というスキルを駆使して、ページを文字として認識するのではなく、画像として脳というスキャナーに写し込んでいく。

 

<すごいな。エミヤ。これなら筆記試験はクリアするだろうな>

<確かに、それはそうだが、私は筆記試験に合格する以上の先を見ているのさ>

<先とは?>

<この国の成り立ちはやや不可思議な点があるのだ>

<そうか。しかしまず優先すべき研究は、錬金術であることを忘れないようにな>

<ああ、分かっているよ。その錬金術がその不可思議な点に直結しているのでな、重要課題だから集中するよ>

<それならいいのだが・・・・・・それはそうと、闇雲に蔵書を探しては取り込む方法はいいのだが、時間がかかってしょうがないな。もっと手っ取り早い方法を駆使せねばなるまい>

<しかし、この右脳速読術なら厚さ3センチの本ならば、2分もかからないぞ?>

 

<それはわかっているのだが、ここセントラルで事件があれば、一日中そこに入り浸りすることになる。そうしたらそのスキルであってしてもすべての蔵書を手中に取り込むのには、時間が足りないだろう?こういう時は、図書館を知っている図書員に聞いた方が選書してくれるだろう?>

<そうか、その手があったか。確かにさっきのシェスカは、私と同じ右脳記憶術に特化していたな>

<そうなのか?>

<ああ、同じ見方をしているものには、鋭い観察眼が働くからな>

<なら、相性がいいと言えるな>

<ふっ確かに>

 

そして、エミヤはテーブルから立ち上がり、後方にある受付に向かった。

 

「シェスカ?君は特殊な記憶術を使える者なのだろう?それで、君に助けて欲しいことがある」

「えっ、私になぜその記憶術があるのを知っているのですか?」

「いや、なに、私もその技術を駆使するものでな、君の目の動きが普通の読書術とは異なる移動であったためだ。そこから推測するに画像記憶の手法を行使しているのではと思ったためだ」

「そうなんですかぁ!私のこの能力を分かっていただける方がいるなんて、感謝です!私にできることなら、なんでも言ってください!」

「では、私がここに来る時は、直属の図書スタッフとして選書作業に協力してくれないか?」

「はい、では、上司に相談してみますね」

「よろしく頼む」

 

そうするとシェスカは、上司に相談しに行った。

 

<選書スタッフを必要とするとは、良い方法だな。ここのスタッフならば、スーパービュー(全体を俯瞰できる存在)ができるだろうから、良い選書ができるだろうからな>

<そういうことさ。彼女の記憶術は私の記憶術よりも精度が高そうだからな>

英霊よりもスペックが高いのか?それはすごいな>

<ああ、短期間で錬金術の冥利を味わうには、彼女の選書技術が必要不可欠だ>

 

話していると、受付奥の部屋からシェスカが帰ってきた。

 

「どうだった?」

「はい、OKでした。マイルズさんが来ている間は、直属の選書スタッフとしてすべての蔵書を閲覧、図書館内であれば持ち歩けることを許可してくれました」

「そうか、ありがとう。シェスカ。ではまず最初に、普通図書の中で錬金術の知識をもっとも効率が良い、選書を選んでくれないか?」

「分かりました。錬金術ですね?」

 

すると、その次の行動は早かった。シェスカは慣れた手つきでどんどん選書していった。しかも的確な一冊を選び、不必要な本は返却ボックスに格納し、すっきり選んだ。その数は、最初にエミヤが選んだ110冊をかるく下回る30冊だった。

 

「ほう。これはすごい」

「ここの普通図書ならもう記憶しているので、少ない冊数を選書してみました」

 

マイルズは、適当に一冊を選んで読んでみた。内容が濃いが、的確に錬金術を学べる専門書だった。

 

「これなら、短い時間でも読めるよ。そうだ、シェスカ、専用の読書室を用意してもらえないだろうか?」

「はい。こちらへどうぞ」

 

シェスカとマイルズは、本を持ちながら、ブラックカード所有者しか使うことが出来ない、専用の読書室に向かった。

 

部屋の内装は本を読むのに適した作りであった。読書ライトも高級なつくりである。それに選書した本を棚に整理することもできる。図書内貸し出しができるからだ。

 

二人は、作業台に本を置いた。

 

「ふーっ、これで全部ですね。それにしてもこの読書室に入ったのは始めてですー!館内貸し出しができるブラックカード所有者限定の部屋。読書好きにはあこがれの特権ですね!」

「そうだ。シェスカ、私が読んでいるときは手持ちぶさただろうから、好きな本をここで読んでも構わないぞ」

「えっ・・・・・・そんなことは、失礼ではないのですか?いつでも選書できるように待機するのが直属スタッフの職務だと思うのですが・・・」

「いや、では、これは命令だ。私が要では無い限りにおいて、好きな本を読むことを職務の範囲内とする、ということではどうか?」

「・・・・・・あ、ありがとうございます!本当は本を好きなように読んでみたかったんです!本好きにとってはここは聖地のようなものですから!」

「なら、よかった。こちらとしても、そのほうが読むのに集中できるからな」

「そうですか、ならば、本を持ってくるのでしばし、お待ちを」

 

と言って、シェスカは奥の秘蔵図書室に向かった。

 

<よし、これでよし>

<エミヤ、君は、いいやつなんだな>

<・・・何を、いまさら。本好きの労働の対価は、やはり本でも返さなければならないだろうから、職務として命令したのさ>

<君が相棒でよかったよ>

<では、読書にもどろう>

<ああ>

 

エミヤは、30冊に選書された、錬金術の本を速読術で完全記憶していった。30冊*2分=1時間の時間で。

 

「ふーっと。もう14時か。シェスカ、この30冊を返却して秘匿書物に案内してくれないか?」

「・・・・・・はっはい!秘匿書物館ですね。地下にあるのでご案内します」

 

マイルズとシェスカは、地下の、ブラックカード所有者しか読むことができない非公開書物庫に向かった。

 

「ここが、秘匿書物庫です。蔵書は2000冊です」

「ほう。多いな。上の普通図書よりは少ないが、非公開書物がこれほどとはな・・・・・・では、シェスカ、錬金術の選書を選んでくれないか?」

「・・・・・・それについてなんですが、私はここに来たことが1度きりしかないんです」

「そうか、確かにここはブラックカード所有者しか行けないからな」

「前回、大総統がこちらに来られて、館内を案内したことがあるんですが、その際にこちらのある本を一冊お読みになったのです」

「ほう。大総統が読書とはな。すべてを知っているような感じがするのだが」

「その本ならばすぐにでも紹介できますが」

「大総統が読む本か。興味があるな」

「では、ご案内しますね」

 

ゆっくりと二人は階段を降りていった。地階は地上階のステンドグラスからの採光しかとっておらず、薄暗い。なんとか本のタイトルが読める程度だ。

 

「ありました。これです。"サーベル全集"です」

「ほう。サーベルの本か。私も興味があるな。では、シェスカ、秘匿図書目録から錬金術に関するすべての書物を、読書室に運んでもらえないかな」

「はい!分かりました」

 

シェスカは、目録から必要な図書をすべて運ぶ作業にとりかかった。その間、マイルズことエミヤは、大総統が読んだとされるサーベル全集を、固有結界内に取り込んでいる。

 

<ほー。武器を取り込むことが出来るのか>

<そうだ。見た武器を登録することができる。大総統の愛用の武器はサーベルと聞いている。実技試験の際にでも使ってみようと思っているよ>

<ほう。その場で決闘だけはするなよ>

<ああ、そうすることはないさ。大総統自らがしかけなければな>

 

「ふーっ。取り込んだな全部」

「調達し終わりましたよ!マイルズさん」

「ちょうど良いな。こちらも読み終わった頃だ」

「そうですか。なら、本を持って行くのを手伝ってくれませんか?」

「了解した」

 

二人は、一階の読書室に戻った。地下で要した数は120冊だ。秘匿書物のほとんどは、錬金術に関する研究書であり、解読が必要な本が大半を占める。そのため、長時間の解読時間をゆうするために、一般図書にはおけないからだ。

 

「よし、これで錬金術に関する書物は全部だな?」

「はい。そうです。効率よく集めた、この120冊ですべてです」

「ありがとう。シェスカ。君がいなかったら、片っ端から読みあさらないとだめだったよ」

「こちらこそ、ありがとうです。秘匿書物を読むチャンスを頂けたのがとても感謝でした!ありがとうございます」

「じゃあ、今日はもう読むだけだから、元の職務に戻ってくれないか?シェスカが読みたい本もここに置いてていいから」

「はい!ありがとうございます!では」

 

シェスカは元の職務、受付職務に戻っていった。

 

<本当に、シェスカには助けてもらったな>

<そうだな。これで短時間で筆記試験に対応できるようになった>

<エミヤ、実地試験の方はどうするのだ?まさか、錬金術を行わず魔術で対応するのか?>

<いや、両方を行うよ>

<両方?>

<まず錬金術でサーベルを錬成し、そして魔術で強化を行い、製鉄と同等の強度にする>

<ほう。二段構えか。それなら実地試験は合格だな>

<そして大総統に手合わせをお願いする>

<っと、それは失礼じゃないか?>

<いや、さきほどのサーベル全集には、セントラルシティの名高い刀鍛冶、"サイサリス"の名刀、"イシュヴァール"という刀のページに、しおりが挟んであったからな。それを投影して手合わせし、そのサーベルを献上するという考えだ>

<そうか。あの本を読んでいるのは、大総統とエミヤだけだからな。手合わせし、サーベルの強度試験でもあり、その上剣技という実戦闘の判断もできる。審査員である大総統に直接影響を与えるというのなら、良いチャンスだな>

 

<そうだ。それと、固有結界の存在を秘匿するにも、奥の手のような手段をとることにより、限度を偽ることができる>

<確かに、あの技は大総統の前では秘匿すべきだな。あのブリックスでの出来事は、レポートにはなっていし、撮影係にも撮影されていないから、噂としてしか広まっていない。目撃した者達にも、伝播禁止命令を下してあるから、実質知っている者は、アームストロング少将とバッカニア大尉くらいだけだからな>

<そうだ。ゆえに大総統の前では隠匿することにする。あれはあまり見せるものではないからな>

<そうか。最終奥義だからか>

<そうだ>

 

マイルズは、時計を見た。17時だ。閉館の時間までは2時間があるが、今日はもうこれで十分だろう。120冊はすべて取り込んだので、じっくり読むのは明日にすべきだ。

 

<では、今日はもう退散しよう>

<そうだな>

 

マイルズは、読書室を退室し、鍵を受付のシェスカに返しに行った。

 

「シェスカ、今日はいろいろと迷惑をかけたな。すまない」

「いえ、とてもいい機会でしたので、こちらのほうがご迷惑をかけたかと・・・・・・」

「じゃあ、明日も頼むよ。お疲れさま」

「はっはい!ありがとうございます!」

 

マイルズは図書室を後にした。

 

夕日が紅の目のマイルズを紅く照らしている。

 

 

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第三話「紅の目」が終わりましたね。8000字になりました。内容的にもボリュームがあるのでこうなりましたが、どうでしたでしょうか?

 

ようやく国家錬金術師を目指すべく、第一歩を踏み出しましたね。秘匿書物まで読みあさって、本の固有結界に登録するという二次設定まで持ち込んでしまいましたが、いいでしょう。

 

また、シェスカとのコラボレーションをさせてもらいました。まだ彼女が第一分館にいる頃の話として加えました。でもクビフラグは、消えません。本を読みあさる癖は消えませんので。このままエルリック兄弟に見つかるまでは、自宅に引きこもるでしょうね。

 

次回は、マスタング大佐にでも、投影などを披露するかもしれませんね。

 

そんな感じです。

ではまた。