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小説の墓場

魔法少女HELLSINGなのはACD 第五話「吸血鬼の同志(3)」

前回のあらすじ

 

月村邸のメンバーに最初のうちは警戒されながらも、真祖だとわかるやいなや、丁重な扱いを受けたアーカード。そしてなのはの今後の行方を大人達はじっくり検討しはじめた。

 

そんなことを本人は、あまり気にしていないらしく、以前より楽天的に振る舞っていた。そしてすずかと一緒に遊んでいると。。。

 

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場面はかわり、すずかの部屋に来たなのは。

 

なのは「すずかちゃん、早く来ちゃったけどいいかな?」

すずか「うん、大丈夫だよ。なんで早く来るようになったの?」

なのは「お兄ちゃんが早くきたいからなんだけど、他に忍さん達に会いたいっていう人がいたからだよ」

すずか「へー私たちに会いに?」

なのは「そうだよ」

 

するとすずかは、顔を伏せた

 

すずか「そうなんだ・・・・・・」

なのは「大丈夫?すずかちゃん」

すずか「う、うん、何でもないの。ちょっと立ちくらみがしただけだよ」

なのは「そ、そうか、にゃはは」

 

すると、なのはは、口を開けて笑った。が、それが悪かった。異様に鋭い犬歯を露出することになってしまった。

 

すずか「!!!・・・・・・なのはちゃん、その犬歯どうしたの?」

なのは「あ・・・・・・これ、ちょっと訳ありでね」

すずか「ま、まさか、吸血鬼になっちゃったなんて、冗談じゃないよね」

なのは「いや、冗談じゃないの。本当のことだよ」

すずか「そうなんだ。何があったのか分からないけど、私ならなのはちゃんが吸血鬼になっても受け止められるから」

なのは「え?どうして?」

 

すると、すずかは口を開けて犬歯を見せた。普段は奥の歯に隠して見えなかったのだ。

 

なのは「その歯は!すずかちゃんも吸血鬼だったの?」

すずか「そうだよ。これは遺伝だけどね」

なのは「遺伝?ということは、吸血鬼一族ってことなの?」

すずか「そうだよ。詳しいことはお姉ちゃんから説明があるから」

 

見計らったように、扉が開いた。

 

忍「もう、話したみたいね、すずか」

すずか「うん、話したよお姉ちゃん」

忍「なのはちゃん、本当なら、一族の秘密を知ったからには一族に運命を預けなくてはいけないんだけど、義姉妹の契り程度にしておくわ。時が来たときには相応の対処はするけどね」

なのは「ありがとうございます。忍さん」

忍「にしても、マスターがドラキュラ伯爵だったなんてね。すごいじゃない。なのはちゃん」

なのは「はい。マスターでよかったです」

 

すずか「ドラキュラ伯爵??すごいね!なのはちゃん!」

なのは「事故で死にかけたところを、吸血鬼にして助けてくれたの」

すずか「そうだったんだ・・・・・・けがのあととかないの?」

なのは「うん、全くないよ。以前より肌がきれいになっているくらい」

すずか「そうなんだ」

 

忍「月村家最大の秘密を知ってしまったから、なのはちゃん、すずかと義姉妹の契りを結んでほしいんだけど、異論とかはないかな?」

なのは「無いですよ。マスターと話をしたんですよね?それならその決定は安心です」

忍「そ、そう。もうちょっと深刻に考えると思っていたけど、それほど信頼しているのね」

なのは「はい!」

 

なのはは、もう昔には戻れないと考え、それを受け取ったのだ。これからはドラキュリーナとして生きる人生をとることに。幼い年齢だとしても運命に従順に従えることを選択したのだ。

 

すずか「じゃあ、なのはちゃんの運動神経は私並になったのかな?」

なのは「うん、たぶんだけど、そうなるかな」

忍「ふふ。ならトレーニングルームにご招待ね!」

なのは「ふぇ?そんな場所があるんですか?」

すずか「いつもそこでトレーニングしているの。重量級のトレーニング器具とかたくさんあるの!」

なのは「たしかに、吸血鬼になってから運動をよくするんだけど、以前よりいいんだよね」

 

すずか「そうでしょ?でも、今まで使ってこなかった筋肉を使うから、ちゃんとトレーニングしないと、肉離れとかけがをしちゃうことがあるんだよ。だからここで一時間くらいかけて基礎体力を強めるの。なのはちゃん、やってみる?」

忍「ほどよく筋肉がつくから、スタイルもよくなるわよ。まあ、なのはチちゃんにはまだ早いかもしれないけどね」

なのは「じゃあ、やります」

 

忍となのは、すずかは、二階にあるトレーニングルームに行った。

そのころ、忍とわかれて、一人になってしまった恭也は、地下のACDの部屋に来ていた。

 

恭也「ACDさん、さっきの話ですが、何か隠していますね?」

ACD「ふむ。やはり察しがいいな。恭也」

恭也「月村家の秘密を知って今までたくさんの修羅場を越えてきましたから、直感的に何か裏があるかということがわかりますので」

ACD「そうか。ならば話そう。なのはは、魔法少女なのだ」

恭也「魔法少女??魔法を使うんですか?」

ACD「ああ。いつも赤い宝石を身につけているだろう?」

恭也「はい。確かに肌身離さずいつもですね」

ACD「あれが魔法の杖の携帯状態なのだ。そして魔法を使う時に魔法の杖となって、戦う」

 

恭也「戦うとは?敵がいるのですか?」

ACD「ああ、いるさ。私がなのはに出会ったのもそんな戦闘中であった」

恭也「そうか。なのはも苦労をしているんだな」

ACD「そこでだが、この話を士郎さんだけに話しておいてくれないか?」

恭也「父にだけですか?・・・・・・あ、そうか。魔法がらみだからですね」

ACD「ああ、そうだ。恭也の話を受け止められるのは、父親だからだろう。そして、順々に家族に話してくれ。しかし、注意すべきは、なのはに知られないことだ」

恭也「なぜですか?共有すればなのはも安心するのでは?」

 

ACD「いや、話してしまうと緊張感をほどいてしまうからさ。なのはは今、吸血鬼・魔法少女・人間のみっつの円の中で立ち位置を吟味している最中だからさ。ここで家族に話してしまうとアイデンティティが崩壊するおそれがあるのさ。今はどの立ち位置が高町なのはなのか、問い続けている時なんだ」

恭也「そうでしたか。確かにアイデンティティを確率する時期ならば、後ろ盾をつくることはリスクになりますね。甘えてしまいますから」

ACD「そうだ。だからこれは秘密にしておいてくれ」

恭也「わかりました。では、そろそろ、上に戻ります」

ACD「了解した。たのむぞ恭也」

恭也「アーカードさんの頼みですから」

 

恭也は、地下図書室を後にし、一階に戻った。一階では、トレーニングを終えたなのはと、すずか、忍が汗を拭いていた時だった。

 

忍「あら、恭也、ACDさんと話していたの?」

恭也「ああ。吸血鬼のことについて詳しく聞いていたんだ」

忍「私たちとはやはり、違うの?」

恭也「ああ。コウモリに変化したり、首を落とされても平気だそうだ・・・・・・」

忍「・・・・・・真祖はやはり違うわね。私たちは人間に毛が生えた程度の力しかないから」

恭也「そうだな。そしてその芽がなのはにはあるということだ」

なのは「・・・・・・」

恭也「なのは、気を落とすな。どんな姿になったとしてもなのはは家族だ。それは永遠に変わらないよ」

なのは「ありがとう、お兄ちゃん・・・吸血鬼のことを受け止めたけど、まだ自分が化け物になってしまっとことに躊躇しているの。でももう少しでその糸を断ち切ることができそうなの。だからそれまで守ってくれる?」

 

恭也は、なのはに抱きつき、安心させた。

 

恭也「当然じゃないか!家族なんだから!」

なのは「・・・うん、ありがとう。お兄ちゃん」

恭也「このことは、お父さんだけに伝えるから、安心して自分の振る舞いを決めるんだぞ?」

なのは「うん!ありがとう」

 

忍「いいわね兄妹愛!私も抱きついていいかしら?」

恭也「忍なぁ・・・・・・」

忍「冗談よ。私はすずかがいる・・・・・・あ、でも義姉妹の関係を作るんだから、私がなのはちゃんの義姉になるわね!」

恭也「あ、そうか。気づかなかった」

 

なのは「・・・忍お姉ちゃん」

忍「はうわぁ・・・・・・いいわね。なのは」

恭也「だとしても、なのは、俺は永遠にお兄ちゃんだから、安心して良いいからな」

なのは「うん!これからよろしくおねがいします!」

すずか「よろしく、なのはちゃん」

なのは「よろしく!・・・ところで、どっちがお姉ちゃんで妹なのかな」

すずか「なのはちゃんの誕生日は3月15日だから、一応はなのはちゃんんがお姉ちゃんかな」

 

なのは「そっか。でも同じ年だし、気にしないよね」

すずか「でも、これからは体育の時間はライバルだよ?」

なのは「にゃはは。そうだね。よろしくね」

 

ここに、義姉妹の関係が決まった。正式には、恭也が父・士郎の合意を得てからの話になるが、ここになのはのアイデンティティがある程度決まったことになる。

 

月村なのは、として平日は高町家に住み、休日は月村邸敷地内で魔法訓練を密かに行う。そして夜は、ACDと忍が共同考案した吸血鬼としてのトレーニングを行う。通常は高町なのはとしており、月村なのはは、夜の一族としての名前である。

 

アースラには、月一度、魔法特訓の成果を計測するために、ACDと共に行っている。また、ユーノが吸血鬼研究のために運動計測もしたいということなので、そちらにも協力している。

 

ACDのデバイスは、8割がたすでにできており、あとは試用して最終調整を残すのみだ。

 

 

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五話まできましたね。やっと落ち着けるようになりました。次回でようやく戦闘シーンのようなものが展開されるでしょう。ACDのデバイスも完成するようですから。あ!良いアイデアを思いつきました。フフフ・・・・・・