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小説の墓場

剣舞の錬金術師 第六話「傷の男」

第六話「傷の男」

 

前回より、マイルズと共にエドワード達は、リゼンブールに向かうことになっていた。そのために駅へと向かった。しかし、そこにいたのは危険な男だった。

 

*************

 

中央司令部。ロイ・マスタング大佐の部屋。

 

「何!?それは本当か!ヒューズ」

「ああ、本当だ。グラン准将が殺害された」

「そんなことが、起こっていたのか。あのグラン准将が・・・・・・」

「殺害した男の面は、わかっている」

「どんな男なんだ」

「額に×の傷跡を持つ褐色の男だ。これしか目撃情報はないんだ」

「そうか」

「しかし、一連の事件は国家錬金術師ばかりを狙っている。何か悪いことがありそうだな」

 

コンコン・・・・・・

 

「失礼します!ヒューズ中佐、スカーの最新の目撃情報が入りました!」

「お!で、どうだ?」

「はい、さきほど、セントラル駅構内にてスカーと思われる人物を複数の駅員が発見したとのことです」

「そうか。よくやった。また何かあったら報告するように!」

「はっ!」

 

バタン・・・・・・

 

「・・・・・・ま、まて、セントラル駅だと?・・・・・・ま、まずいぞ」

「どうしたんだ?」

「マイルズと、エド達が駅構内にいる時間だ・・・」

 

ちょうどそのころ、セントラル構内にエド達三人が発着場に到着していた。

 

「あー久しぶりのリゼンブールへの旅だな、アル」

「そうだね兄さん」

「そんなに久しぶりなのか?」

「はい、本当に久しぶりですよ」

 

そこに、一人の男が近寄ってくる。

 

「ん?」

 

エドはその男が近づいてくるのに気づいた。

 

「・・・エドワード・エルリックだな?」

 

あんたはだれだよ?と言おうとした時、

「神の名の下に、死んでもらう!!」

 

男は地面を破壊して三人を襲おうとした!

 

しかし、エド達は、とっさのことだったかが、うまくかわした。すると、周囲にいた客達が叫んだ。

 

「キャーーーーー!!!うわぁぁぁ、逃げろぉぉぉぉ!!!」

 

駅構内に居合わせた1000人を超える客達は、構外に避難した。

 

「誰だよ、あんた!」

「額に、×の傷跡・・・・・・傷の男か・・・・・・!?」

「知っているの?マイルズ中佐?」

「ああ、最近セントラルにて、国家錬金術師ばかり殺害する謎の男だ」

「なんだって、国家錬金術師ばかり・・・」

「事情はしらんが、あの姿勢とこの殺気。我らを逃がしてはおかぬことはわかる」

「兄さん、この場所での戦闘は危ないから、外に移動しよう」

「そうだな、アル!」

 

アル達は、貨物列車倉庫のある、構外へ向かった。

 

「逃がさん!」

 

傷の男、スカーは、エド達を追ってくる。

「よし、エド、アル、ここで私が奴の相手をするので、その間に異変に気づいたマスタング大佐と包囲網を作ってくれ!」

「了解!」

「では、頼むぞ」

 

三人は、エドとアル、マイルズの二つに別れた。

 

「逃がさんぞ、エドワード・エルリック!!」

 

その前をマイルズ中佐が防いだ。

 

「邪魔だ、どけ!」

「私も、国家錬金術師だ!剣舞の錬金術師が相手をしてやる!」

「ふっ、貴様も国家錬金術師か!ならば、死んでもらおう!はぁ!!」

 

スカーの右手が高速に、マイルズの頭を狙った。しかし、それは虚空を掴んだ。

 

「遅いな。スカー。私の剣舞についてこれるかーーー?」

「はぁぁぁぁ!!」

「トレース・オン!」

 

ガッキィィィィン!!

 

マイルズは、投影した干将・莫耶で防いだ。

 

錬金術ではない?しかし、破壊するまでだ!」

 

スカーは、干将・莫耶を掴もうとなりふり構わず、武器破壊の構えをとった。

 

「ふっ、容易い戦法だな!」

 

しかしマイルズは、それを見越していたかのように、投影した干将・莫耶を、さらに二重、三重に投影し、自身の周囲に展開した。円を描くように周囲に浮遊させ、まるで触手で動かしているかのように、スカーの急所をめがけて、一振り、二振りと、切り払う。

 

「どうした、どうした、武器破壊の構えでは、この一方的な戦法の前では、微塵もこちらに与えられまい」

「くっ・・・」

 

じりじりと、スカーを、広いスペースのある、貨物列車中央倉庫前へと移動させている。エド達の手はずである作戦を実現させるためだ。

 

「貴様は、なぜ、国家錬金術師になった!」

「私は、そうだな。この場でなら教えてやろう。正義の味方になるためだ」

「正義の味方だと?民の見方か!ならば、国家錬金術師になることでその民を殺害し裏切った歴史を知らぬとはいわさんぞ!」

「私が救うのは、私が目に見えている者達だけだ。この目に誓って」

 

すると、マイルズは、サングラスを外した。

 

「!その目は!」

 

そう、マイルズの祖父はイシュヴァール人。その血を受け継ぐのがマイルズ・アインシュトーだ。

 

「なぜだ!なぜ、国家錬金術師になった!」

「ふむ。その口調によると、スカーもイシュヴァール人なのだな」

「くっ」

「やはり、同族の血は共鳴しあうか。では、本当のことを話そう。先ほどの話も本意なのだがな、まあ、そうだな。守りたい人がいるからだということがその意味だ。私の目に適う存在の守護それが私の願いであり、夢だゆえに」

 

すると、スカーとマイルズは、線路をまたぐ陸橋の上に立ち止まった。

 

「もうじき、貨物列車が来る。それに乗って、逃げるのだ。スカー。このままでは、君は私の予定通りに包囲網に捕まってしまうだろう」

「くっ、同族の情けか」

「いや、先ほどのもいったとおりに正義の味方をしているまでよ」

 

そして列車が来た。

 

「その言葉、信じていいのだな」

「ああ、そのために仕掛けたのだからな」

「剣舞の錬金術師、マイルズと言ったな」

「ああ、そうだ。北方司令部の要塞、ブリックスに所属するマイルズだ」

「しかと、覚えたぞ」

 

すると、貨物列車が過ぎる前に、飛び降り、スカーは逃走した。

 

<いいのか?エミヤ。スカーを逃がしてしまって>

<ああ。スカーは、動機が異なるだけで、目的は私と似たようなものだからな>

<正義の味方か・・・・・・?>

<ああ。そうだ。それと、彼はまた会うことになるだろう>

<確かに、エミヤ、君が名前を名乗ってしまったからな>

<そうだ。彼とは良いコンビネーションが築けると思ってね>

<まったく、エミヤはお人好しだな>

<ゆえに、正義の味方をしているからな>

 

しばらくして、包囲網をしかけていた、エドとアルがこちらの陸橋にいるマイルズに気づいた。

 

「マイルズ中佐!・・・スカーは?」

「ああ、すまん。さきほど来た貨物列車に飛び降りて逃げてしまったよ」

「そうですか。追わなかったんですか?」

「ああ、通り過ぎた頃に乗られてな、追いつく瞬間を逃してしまったんだ」

「そうですか・・・残念ですね」

 

すると、作戦に参加していた、マスタング大佐が駆け寄ってきた。

 

「スカーはどうしたのだ?中佐?」

「逃がしてしまいました」

「中佐ほどの手馴れが逃がすとは、それほど相手が強かったんだな?」

「はい、そうです」

「では、これからなのだが、駅が復旧するまでの間、私のオフィスに来て、具体的に説明してくれないかな」

「あぁ、また大佐と一緒かよ。しかたねぇな・・・」

「仕方ないよ、兄さん。列車があーなっちゃったら」

 

四人の戦闘により、駅構内の線路の一部が損壊してしまったため、復旧は一日ほどかかるようだ。その間は、またセントラルに滞在するほかない。

 

「さてと、では、鋼の。アルフォンス君、マイルズ、セントラルに戻ろう」

 

そして、マスタング大佐のオフィスに戻ってきた。早速事情聴取をマイルズ中佐にしている。横には、エルリック兄弟も同席している。途中まで戦闘していたからだ。

 

「して、スカーは、イシュヴァール人なのだな。ならば、国家錬金術師に恨みがあるということが明白だな・・・おっと、すまんなマイルズ。嫌な事を思い出させてしまって・・・」

「いいんです。大佐。過ぎたことです。話を続けてください」

「スカーが乗っていった貨物列車は、北方司令部行きの列車だ。仮にスカーが北方司令部に行ったと仮定して、捜査をしている。まあ、途中で下車している可能性が一番高いがな。でだ、君たちには本来ならスカーの捜索に強力してもらいたいが、休暇のこともある。どうするかね?」

「私は、このまま休暇をもらいます。それで大丈夫でしょうか?」

「ああ、よかろう。行ってきたまえ」

「ありがとうございます。では、エド、アル、仕切り直しだが、リゼンブールに急ごう」

「はい!」

 

 

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ようやく終わりましたね。スカーとの遭遇も良い雰囲気を与えての閉幕となりました。次でのフラグフラグっと。

 

ということで、仕切り直しになりましたが、次回はリゼンブールでの話になります。閑話みたいなものですね。

 

なんか、スカーの扱いがアレですけど、すいません。

 

ではまた。