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小説の墓場

魔法少女HELLSINGなのはACD 第七話「吸血鬼の闘争(2)」

第七話 吸血鬼の闘争(2)

 

前回は、ACDとザフィーラのところで終了した。その続きである。

 

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ACDとザフィーラは、バラが散りばめられたバラ湯に入っている。赤いお湯は、血の海のようだ。他に客はいないようだ。日曜日だというのに閑散としている。それもそのはず。ACDが周囲にまき散らす威圧感により、他の客が退散してしまったのである。

 

そのことにACDは気づいてはいるが、そのまま放置してゆっくり温泉を楽しんでいる。

 

「いい湯だ。本当にいい湯だ。こんな湯だからたぎるほかないだろう。そうだろう?そこの犬?さきほどからの威圧感を出しているというのに、平然としていられるとは、肝っ玉の座ったたいそうな番犬だな」

 

ザフィーラは、ACDの問いに自然と答えた。

「なぜ、俺に犬と言っているのだ?」

「犬は犬だ。私も犬を飼っているのでよーくわかる。犬の習性はよーくな。だからお前は犬だ。この言葉以上に他にどんなことがある?」

「俺の真の姿がわかるのか?」

「ああ、わかるとも。そして犬の他に三人ほど騎士がいることもだ」

 

ザヴァッ!!

 

ザフィーラが立ち上がった。

 

「!?」

 

「まあ、心配することはない。とって食おうとしているんじゃない」

「貴様は、何者だ?」

「私は闇夜を跋扈する酔狂な男さ。少しばかり人間でいたころの感傷にふれてはいるが、れっきとした吸血鬼だ」

「吸血鬼?にしては、水には弱いはずだが?」

「そこのところは秘密だ。長年生きてた技のようなものさ」

 

ザフィーラはACDが敵対関係にはいないと判断したのか、湯船に戻った。

「そうか。確かに、このお湯は治癒効果もあるらしい吸血鬼でさえ入りたがるわけだな」

「まあ、そんなところだ。ところで、こんな障壁があると、主の万が一の時はどうするのだ?」

「盾の守護獣として、主を保護するのが勤め、このような壁一枚など粉砕する!」

 

ACDは浮いているバラの花びらを持った。

「ほう。しかし、ここは銭湯だ。非武装地帯でもある。しかもここは男湯。隣は女湯、聖域を脱するからには、それなりの覚悟が必要だ。間違った時は、それなりの嘲笑が待っているぞ」

「ならば、犬になれば問題ないことだ」

「ほう。その犬の姿を拝見させていただきたいところだな」

 

<なのは、今なにをしている?>

<!?マスター?・・・・・・今、例の赤い子のヴィータちゃんと遭遇して、模擬戦をしています>

<例の指輪でか?>

<はい>

<ここは非武装地帯だからな。好戦的な印象を与えることなく、終わらすのだ。いらぬ魔力の使用も防ぐことが戦いでは必要となる。戦いは最後の手段として、論戦にて戦いをするのが淑女のたしなみだ。そしてまだなのはは、本当の意味での吸血鬼になったわけではないからな>

<はい。わかりました>

 

ACDはなのはとの通信を終えた。

 

「して、貴様は、俺たちに敵対するのか?」

「いや、それは私が決めることではない。闘争をするのならば、致し方ないことだが、フェアな戦いとして、私もデバイスにて闘争をしよう」

「貴様も魔導師なのか?」

「いや、正式には私はまだ魔導師ではない。民間の協力者のようなものさ。基本的には中立だ。此度の世界ではそうした振る舞いをするのも一興かと思うのでね」

「此度の世界?ということは、次元世界旅行者か」

「まあ、そんなところだ。此度のこの地球世界につい一月ほど前にやってきたのだ」

「そうか。ならば、忠告をしておく。我々のことには手を一切出さないことだ。さもなければ、命を落とすことになる。俺がどこまでも非殺傷設定をしているわけではないからな」

「そうか、その時は闘争を楽しもう」

「ああ」

 

ACDとザフィーラは宣戦布告ともいえる会話を幾ばくか交わし、その場を後にした。

 

ところで、さきほどACDがなのはと交えた会話の状況だが、均衡状態が続いている。魔力弾の数は、最初の10個から優に越えて40個まで発生しており、それが大人10人分くらいのミストサウナの部屋いっぱいに漂っている。まだ二人の攻防戦は終わっていない。このままだと籠城戦となってしまう。

 

ヴィータちゃん、そろそろ辞めにしない?」

「高町、確かにもう切り上げるか」

 

パァァン!!

 

すべての魔力弾が弾け飛んだ。

 

「今度会うときは、負けねぇからな!!」

「うん、私も負けないよ!」

 

そして、ヴィータとなのはは、それぞれに浴場をでた。

 

先に脱衣場では、はやて、シグナム、シャマルが髪を乾かしていた。

 

「遅かったな、ヴィータ。また遊んでいたのか?」

「あーちょっとな。まあ、遊びみたいなものさ」

ヴィータはほんま遊び好きやな!」

「いいじゃないか、はやて。どこでも遊んでも勝手だろ」

「で、その子とはまた遊ぶ約束したの?」

「うん、また今度会うときは遊ぼうっていったよ」

「それなら、あたしも今度紹介してな。ヴィータと互角に遊べる子がいるんなら、ぜひ会ってみたいしな!」

「でもその子は、遠くの町から来たって行ってたから、しばらくは会えないと思うよ」

「そっかー。残念やな。でも互いに引き合うものを感じたのなら、会うチャンスがまたやってきそーな感じがするんよ」

「そうかな。でもこんど出会ったら返り討ちにするからな。負けないから」

「ということは、負けたんの?」

「いや、タイムオーバーで引き分けだよ」

「そうやろと思ったわ。負けず嫌いヴィータだもんね」

「ああ。今度は決着をつけてやる」

「勇ましいことはええことやわー」

 

四人は身支度をし終えた。

 

「さて、ザフィーラが外で待っているだろうから、はよ行くよ?」

「うん、はやて!」

 

その頃、別の脱衣場では、高町姉妹が着替えを終えていた。

 

「ああ、シグナムさん、良い人だったわー」

「誰?お姉ちゃん」

「なのはは居なかったもんね。西洋剣の達人だったの。あたしの刀傷に気づいてくれて、住所と電話番号を交換してくれたの。小太刀と西洋剣じゃあ戦い方がぜんぜん違うから、いろいろと気づかせてくれたし、参考になる戦い方を語ってくれたのよ!」

「へーよかったね!」

「ところで、なのはの方はどうだったの?長い間、ミストサウナから出てこなかったけど」

「え・・・・・・とね、以前に近所で遊んでいた子と久しぶりに会ったから、いろいろと話していたの。そうしたら、時間を忘れて話し込んじゃって、気づいたら一時間くらい経っていたの」

「へー。よかったじゃない。学校以外の子と交流できるんなら、見識が広がるからね」

「そうだね。また今度会うかもしれない。きっと出会うかも」

「そろそろ、ロビーに行こうっか」

「うん!」

 

そして、旅館のような趣のロビーに集合した。そこには、ヴォルケンリッターとはやてが先に来ていた。

 

「あ、シグナムさん!」

「お、美由希か」

「さっきは、ありがとうございした」

「いいんだ。来たいのなら連絡をするといい」

「わかりました。また」

 

すると、遅れてなのはが、ゲートから出てきた。

 

「げっ!高町なんとか!」

「えっ、ヴィータちゃん!?」

 

「ん?あの子がヴィータが言っていた子なの?私と同年代やないか」

 

「美由希、その子は妹なのか?」

「はい。そうですよ。なのは、自己紹介して」

高町なのはっていいます」

「そうか。なのはも剣術を学んでいるのか?」

「いいえ。学んでいません」

「なのはは、内の教育方針でまだ早いかなっていうところなので、本人の意志で任せているんですよ。最近、友達が増えましたし、いろいろと文通も交換しているのでそのままでいいかなって」

「確かに、ほんわかしてていいですからね」

「えへへ〜♪ありがとうございます」

 

「では、私達はこれで」

「はい、ではまた〜」

 

ヴォルケンリッターとはやては帰って行った。彼らが帰って行った時と同時刻にプライベートバスから高町夫妻、恭也と忍も出てきた。

 

「あ、お父さん!いい人と出会ったの!」

「はっ!?男か???」

「まっさかー女湯でだよ〜?西洋剣士の達人の方なの」

「そうか、そうだよな。ハッハッハ。で、連絡先等は交換したのか?」

「うん、ばっちりだよ!今度会いに行く約束もしたしね」

「いい成果を期待しているよ」

「うん!」

 

その頃、オーシャンビュー海鳥をでたはやてご一行は、タクシーで帰路についていた。その道中での場面だ。

 

ヴィータ、先ほどの件だが、美由希の妹が先の戦いで出会ったのだな?>

<ああ、そうだよ>

<ということは、高町一家全員が魔導師の可能性があるのではないか?>

<いや、俺たちがあの後、海鳥をでた後に高町夫妻と兄が出てきたけど、魔力反応は一般人くらいしかなかったから、たぶん関係ないと思う>

<そうか。そしてまだ私達が闇の書関係の者だということは知れ渡っていないようだからな>

<ああ、そのことだけはまだ安全なことだな>

<問題はだ、ヴィータがその子に一方的に戦闘態勢をとってしまったことだ。相手が管理局所属だった場合、敵対関係になってしまったことは変わらないからな>

<わかっている。そのことで話があるから、後でまた話そうな>

<了解した>

 

 

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ぬるい戦いとは言わないでくださいね^^;;

ほんわかな戦いとなるでしょうね。あるキャラクターが出るまでは・・・

ではまた。