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小説の墓場

エミヤの救済 第四話「もう一人のエミヤ 後編」

コーディネーター、アーチャー、衛宮士郎遠坂凛、セイバー、イリヤの六人は、夕食後にコーディネーターを中心に話し合った。

 

コーデ「私はすべてのサーバントの頂点に君臨する原点のサーバントだ。未来永劫ある人物の救済を任務とし、付随してすべての関係者の救済も任務としている。敵対する願いは成就できないが、存在の存命は保証する」

 

遠坂「サーバントの原点?英霊の原点ではないのね?」

コーデ「ああ、英霊の原点は他にいるのでな、聖杯戦争のサーバントシステムの管理を任されているので、こうした権利を与えられている」

アーチ「なんという反則的な権利だな」

コーデ「まあ確かに。しかし全体の幸福を最優先にするためであるので、殺戮を行うとかなんとかは起こさせない」

遠坂「それなら安心ね。もし殺戮を起こさせるような存在なら共闘をするなんて冗談は効かなかったから」

 

コーデ「そうだな。それである存在の救命と発言したが、それがエミヤシロウの救済だ」

遠坂「なんでエミヤシロウの救済なの?」

コーデ「彼らは、座によって世界のゴミ処理屋となってしまったのだ。それを悲しくみた我々の神により、救済システムの構築を運用するようになった」

遠坂「待って、救済システムって聖杯戦争のシステムと競合するんじゃないの?最後に残ったマスターに聖杯の権利が与えられるはずでしょ?」

 

コーデ「ああ、そのシステムを救済用に改善させてもらう。そのシステムを起動すればすべてが変わる」

遠坂「このことは言峰も知っているのね?」

コーデ「あぁ、彼も知っているよ。聖杯戦争のコーディネーターであるからね。しかし、彼もまた我々のメンバーである」

遠坂「えっ?あいつが?」

コーデ「言峰綺麗とでも言うかな」

遠坂「何それ・・・白々しいわね」

コーデ「まあ、別人だからな・・・問題ない」

遠坂「さっき、教会で会ったのが別人?確かに、妙に優しかったわね。それで鳥肌がたったのを思い出したわ・・・」

 

コーデ「まあ、直に慣れる。それでそのシステムを起動すると、この世すべての善を内包した"天愛の杯"を実現する。これは、既存の聖杯システムのように、最後の一組になれば実現する聖杯ではなく、どれだけ生き残れたかどうかで、効果を発揮する逆転の聖杯だ」

遠坂「・・・だから共闘したのね?」

コーデ「そうだ。生存者がたくさんいるかどうかで、天愛の杯の性能が高まる」

遠坂「まだシステムを起動していないって言ったわよね。ということはまだ、聖杯戦争参加者全員は、このことを知らないね?」

コーデ「ああ、今知っているのはここにいるメンバーだけだ」

遠坂「それはそれは、良い状態ね。そうなると武力ではなく話力が必要になるわね・・・」

 

コーデ「それでだ、衛宮士郎

衛宮「な、なんだよ」

コーデ「君にはこれから、この聖杯戦争を生き残るために、コーディネーターとして、振る舞うようになるために、鍛錬しなくてはならない」

衛宮「誰もが幸せになれるようになるのなら、どんと来ていいぜ」

コーデ「それなら、大丈夫だな。実に頼もしい限りだ。それでアーチャーは、執事スキルを高めるために衛宮士郎の教育係として機能してくれ」

アーチ「ああ、了解した。徹底的に」

 

コーデ「私は、固有結界の補強と応用を徹底的にしこむことにする」

衛宮「固有結界って何だ?」

コーデ「魔術の理想空間のことさ。その結果内では魔力が理想的な流れで使うことができる」

衛宮「へーすごいな」

コーデ「それを遠坂と共に行う」

遠坂「了解したわ。士郎ったら、根本的な魔術すらできない、へっぽこ魔術師なんだから・・・」

衛宮「へっぽこで悪かったな・・・」

遠坂「まあまあこれから強くなるんでしょ?いいじゃないの」

 

セイバ「私は、どうしたらいいのですか?」

コーデ「セイバーは、そうだな。王道を説いてみてはくれぬか?セイバーの帝王学衛宮士郎にとって助けになるかもしれん。あとは、料理研究家として衛宮家の食事文化を守っていただきたい」

セイバ「騎士道の精神と共に。了解しました!」

アーチ「完全に把握しているな。というか、チートな権限の説明をしていないぞ、コーデ」

コーデ「そうだったな。私に許されている権限について言及しておこう。この聖杯戦争に参加しているすべてのマスター、サーバントの真名及びスペックを把握することができる」

 

遠坂「何よそれ、反則じゃないの!?」

コーデ「そうでもない。自体は一刻一刻と過ぎている。座にある情報が最新の情報とは限らないからだ」

衛宮「ということは、ここに居るサーバントの真名はわかるんだ?」

コーデ「ああ、すべての記憶と共に知ることができる」

衛宮「たしかに、さっきセイバーのことを王っていっていたよな?セイバー、王なのか?」

セイバ「はい。シロウ。私はブリテンの王、アーサー王です」

衛宮「アーサー王だって!?すごい有名じゃないか」

セイバ「はい。しかし、武力が中心な私にとって、和平交渉となるとまた異なってきますね」

衛宮「それでも破格だろう?」

セイバ「まあ、そうですが」

 

皆、お茶を飲み終わり、2杯目に突入した。

 

コーデ「では、システムを起動するぞ」

遠坂「そんなに簡単なの、システムって」

コーデ「ああ。大聖杯に仕掛けをしてきたからな、後は遠距離からでも起動できるようにしてある・・・起動したぞ」

衛宮「・・・・・・何か変わったか?わからないぞ」

遠坂「変わったことといえば、アーチャーへの魔力供給が高まったわね。マナ自体も濃くなったわ」

イリヤ「確かにそうね。コーデへの魔力供給が高まったわ」

コーデ「共闘することでサーバントのスペックが上昇する効果が発揮されたはずだ」

遠坂「アーチャーの平均性能がC+からB+に変更になっているわね!」

アーチ「そうだな。以前よりかは力が湧いてくるようだ」

 

コーデ「では、衛宮士郎。明日から訓練を始めるぞ?覚悟は良いな?」

衛宮「ああ、いいぜ」

コーデ「バイトの時間は訓練は休みだが、訓練でつちかったスキルをバイトで展開してもらうと助かる」

衛宮「応用と展開なら得意だ」

コーデ「それなら楽しみだな」

 

そうして2杯目を飲み終えた一行は、それぞれの目的のためにいったん、それぞれの家に帰って行った。

 

衛宮「にしても、まだ実感がないんだよな」

セイバ「聖杯のことですか?」

衛宮「あぁ、システムが変わったって言ったけど、戦争から和平交渉の戦いになったて言うんだからな。出鼻をくじかれたようだよ」

セイバ「確かにそうですね。でも流血沙汰になるのが避けられただけでも、良いんじゃないでしょうか」

衛宮「まあ、良いんだけど」

 

セイバ「そろそろ寝る時間ですよ?」

衛宮「あぁ、お休み」

セイバ「お休みです」

 

セイバーは衛宮の和室と障子を挟んで隣に寝ている。

いくら有事の危険性が減少したとはいえ、何か事があってはたまらないからだ。

 

衛宮「・・・セイバーまだ起きているか?」

セイバ「はい。起きていますよ」

衛宮「いきなり共闘で、いきなり和平交渉の戦いだって言っていたけど、正直、頭が混乱するんだけど」

セイバ「それが普通ですよ。士郎。私は普通に対していましたが、実のところ、これからの戦いの先が見えなくて、心の中では困惑していました」

衛宮「セイバーがそういうのなら、そうなんだろうな。なら俺は、先に進むことに決めて良いんだな?」

セイバ「士郎は、強いですから、大丈夫ですよ」

衛宮「ありがとう。セイバー。安心して眠れるよ。お休み」

セイバ「お休みなさい。士郎」

 

セイバ<確かに、いくら流血沙汰が無くなったとは言え、聖杯戦争には代わりありません。士郎がどれほどに成長し、コーディネーターとして歩めるかどうかが決め手になるかもしれませんし>

 

そうして初日の一日が終了した。次の日は遠坂組とイリヤ組の衛宮邸への引っ越しの日だ。

 

 

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ようやく進みましたね。まだ一日目ですけど、次元コーディネーターとしてのエミヤシロウのストーリーが。

次の日は引っ越しの日になります。和平交渉の使者がもうじき来るかもしれません。

 

あ、あと、この世界での言峰綺礼は、言峰綺麗なので、バゼットは健在です。彼女が健在ということは、ランサーも健在ということです。ギルガメッシュがどうなってしまっているか気になりますが、言峰綺麗が白い存在ですので、もし現れるのならば、プラチナ・ギルガメッシュとでも言いましょうか。そんな存在として現れるかもしれません。