ZANGE

小説の墓場

衛宮士郎の最強モノ 第二話「幻想の武器」

前回より、今回は、説明回になります。

 

*************

さて、セイバーを召還し、サーバント同士の紹介も終わった。

「そう、また明日があるものね」
「そうだろ?もっとじっくり、ゆっくり説明できると思うし、今日は、夕食を食べて寝ようぜ?明日は土曜日だし、休みなんだからさ?」
「そうね。作ってくれるならいいわよ」
「それならいいんだな。はぁー。疲れたぁ」
「マスター。私も料理を手伝います。和食ならば得意ですから」
「というか、セイバーは料理が作れるのか・・・・・・?英霊だったんだろう?」
「その話は、後で詳しく説明します。一人より二人のほうがいろいろと楽でしょうから」
「ああ、そうなら助かる。台所はこっちだ」

二人は居間の小さな縁側から室内に入っていった。

「ねぇ?アーチャー、さっきセイバーと話していたけど何を話していたの?」
「ああ、自分の正体をざっくばらんに話していたのだ」
「へぇ・・・正体ね・・・って!!!記憶思い出したの!?」
「断片的にだがな」
「それを早く言いなさいよ!!」
「相手も名乗ったのでな、私も自然と名乗ることが必然であったので思い出したようなものだ」
「そう、ではまず、言いなさい。アーチャー。あなたはどこの英霊よ?」
「そうだな。まずは日本であること。そして未来の英霊であること。これくらいだな」
「えー。肝心な名前が思い出せないの?・・・でも、未来の英雄なら知名度は皆無か。まあ、仕方ないわね名前は、思い出したら知らせてよね。で、宝具とかは思い出したの?」
「宝具は、固有結界"無限の剣製"だ」
「こ、固有結界!?ということは、あなた、魔術師だっだの!?」
「そうだ。宝具のようなものは、すべて投影魔術さ。固有結界上に存在する剣の複製品だ」
「そう、だから、士郎の投影品に過剰に反応していたわけね。理解したわ」
「そうだ。しかしあやつの投影は、常軌を逸脱している。あれは私のような複製品を投影しているのではなく、小さな固有結界を投影しているようなものだ。明らかに、想像の産物である武器類を投影し、永存させているのだからな」
「そっか、確かに士郎の投影は魔術とは言えないわね。もう魔法の域に達しているものと考えるのが妥当ね。小さな固有結界ね。言い当てて妙だわ」
「やつと、しばらくの間、同盟関係にすると言ったな、凛」
「ええ、そうよ。あんな得体の知れない存在を、管理者としての私が見逃していたら危険だもの。そして、どんな仕組みであの魔法を駆使しているのか、習えるものなら習って身につけた方が良いしね」
「ほう。私も同感だ。あやつの魔法を解析して私の結界内に吸収してみたいからな」
「意見と目的は一緒ね。これで違和感なく、同盟が成立ね」
「凛、では、まずは夕食を食べよう」

場面は変わり、台所での話。セイバーは、どこの英霊でどんな人物なのかを、料理を作りながら士郎に教えていた。話ながらも、士郎より早いペースで調理の同時進行などを行っていた。これも西行寺幽々子を主として使えた鍛え抜かれた技術なのだろう。

トントントントントン・・・・・・サァァァァ・・・・・・

「セイバーは、どこの英霊なんだ?」
「はい、私は、幻想郷の出身と言えばわかりますよね?」
「げ、幻想郷!??まさか、本当にか!?」
「ええ、ということは、私が誰かわかりますね?」
「銀髪に緑色の服装、白楼剣、楼観剣を持っているのは、ただ一人だ。庭師兼剣士の魂魄妖夢じゃないか・・・自称・ルナティックシューターである俺の観察力は伊達じゃあないぞ」
「ほう。そこまでの分析ができるのなら、自称は伊達ではありませんね」
「そうだろう?最新作までは追いついていないけど、神霊廟までならどうにかクリアしているんだぜ?」
「ほう。是非ともお手並み拝見とさせていただきたいですが、士郎は、戦う者ですか?それとも守る者ですか?」
「実戦経験はほとんどないけど、俺の能力である、"妄想を具現化する程度の能力"を駆使すれば、どんな名剣であろうとも武器であろうとも実体化させることは可能だ」
「いい能力ですね」
「だろう?」
「では、聖杯戦争中の実戦経験を兼ねての、稽古をあなたに課してあげましょう。それで戦うことは何なのかを叩き込んであげます」
道場があるからな。好きに使って良いさ。稽古相手が藤ねぇしかいなくて困っていたところだ」
「そういうからには、何か自信があるのですか?」
「剣道と弓道を習っている。弓道のほうはもう会得している域だけどな」
「そうですか。なら私と同じく、近距離〜中距離、さらには遠距離もカバーできるほどの手馴れになることができますね」
「確かに。俺が具現化している憑依経験を駆使すれば、どうにか様にはなるんだけどな、でも、実戦経験が圧倒的に足らないので、実感が無いんだよ。これが俺の現状の欠点だ」
「中身が空っぽの鎧みたいなものですね」
「そういえば、鋼の錬金術師にそんなキャラクターがいたな・・・」

士郎は、妄想の渦の中に没頭してしまったようだ。しかし、目の前のキャベツの千切りには神経を集中させながら。これで怪我をしていないのは、ソードスキル、調理スキルを発動させているからに他ならない。

「士・・・・・・郎!・・・・・・士郎!士郎!」
「うん。むにゃあ。・・・・・・はっ!ど、どうしたんだ俺は!」
「何か、心ここにあらずのような状態でしたが・・・?幻想郷にでも行っていたのですか?」
「いや、もしも鋼の錬金術師の世界に俺がこの俺様が行っていたらどうなっていたのか、妄想していただけだよ」
「士郎、戦場では妄想している隙はありませんよ?」
「いや、俺の憑依妄想スキルの具現化により、ソードスキルが使える。しかも無意識でだ。それを使っている間なら、俺は無敵モードに突入している!」
「しかし、過信は命取りですよ。実践経験者の私が言うのですから、反論はさせません」
「くっしかし、ソードアートオンラインの二刀流スキルなら、セイバーと互角に戦えるはずだぜ?」
「ほう。そんな根拠のない自信があるのですね。士郎・・・・・・」

<ん?何か、セイバーより霊力のようなものが漂ってくる。あ、そうか、半霊半人だからかな。って、そんなこと言っている場合じゃない。怒り心頭になりかけの妖夢をどうにかしなければ>

「そうだ、セイバーの師匠であるあの、妖忌さんはどうしているんだ?」
「・・・・・・ああ、師匠はですね、って話を変えるとは、士郎、覚悟はいいですか?」

バキッ!

いやな音がした。みたら、鋼鉄製の高級包丁が枝のように折れていた。サーバントの怪力さが見て取れる様だった。根が腐っている士郎でもこのセイバーを制御しきれる術はなかったようだ。為すすべがないというところまで来た。その時であった。

「衛宮君!料理できたぁー?」
「はっ・・・!セイバー、料理の続きをしようぜ・・・?」
「・・・・・・ふむ。仕方ないですね。後にしましょう」
「ふぅー・・・遠坂、もう少しでできるところだよ」
「何ができるの?」
「豚カツだよ。昼の惣菜で買ってきたのがあってな、キャベツの千切りと味噌汁は、ワカメの味噌汁だ。あまり手の込んだものは作れなかったからな。これでいいだろう?」
「ええ、急だったからね。それでいいわよ。配膳は私たちがやるから、士郎とセイバーは先に座ってて?」
「ああ、って食器類はどこかにあるかは、俺が知っているんだし手伝うよ」
「いや、衛宮士郎の手を借りるまでもあるまい」
「なんだよ、アーチャー?」
「解析魔術を駆使すれば、この手の日本家屋など何がどこにあるのかはわかる。衛宮士郎の指示を待つことなど不要だ」
「言ったな、アーチャー。そこまで言うなら、どこに何があるのあかわかるんだな?」
「当然だ。カウンター上二段目の棚だ。そこに中皿は置いてある」
「ほ、本当に解析したのかぁ!?」
「ふっ。伝説の名剣の数々を所有する私にとって、解析魔術を駆使するのは簡単なことよ」
「ふっふっふ、本当に伝説の名剣を駆使できるのか?俺はそのさらに数段上を行くぜ!想像上、伝説上の名剣、ゴルン・ノヴァを投影できる俺には勝てるものか!」
「な、なんだとぉ!?光の剣だと!冗談はそれほどにしておけ!」
「アーチャー、士郎、今は食事の時間よ。落ち着きなさい。ガントを撃つわよ?」

笑顔で言う、遠坂の笑みにひいたのか、さっきの好戦的な態度はどこに行ったのか、二人は、意気投合して、あわてている。

「うっ!さ、ささ、衛宮士郎、配膳をしよう!」
「そうだな、アーチャー!」

手際のいいように二人は配膳をし終えた。

「いただきます!」
「いただきます・・・」
「いただきます・・・」
「いただきます」

怒られた犬のように、しゅんとしたアーチャーと士郎。

「どうしたのよ、二人とも?食べないと明日、身がもたないわよ?」
「遠坂、あのなぁ」
「ん?どうしたの?」
「・・・・・・」
「まあ、気にしては何も始まらないな。衛宮士郎、なにぼさっとしているんだ。早く食べるんだ」
「アーチャー、立ち直るの早いな・・・」
「なに、慣れているものでな。まったくまだ修行がたりないな」
「慣れているって?まだそんなに遠坂とタッグを組んでいるじゃないんだろう?」
「なに、昔、マスターと似たような性格の人物と関係を持っていたことがあったのでな。だから慣れているのさ。だからこれからもきっとそう・・・・「ガント!」・・・クハッ・・・バタッ」

アーチャーが逝った。いや、眠りに行った。

「何、人の算段をして、しかもセクハラまがいな発言しているのよ!」
「アーチャー、伸びているんだが?」
「はぁ?渾身のガントの一撃だけで?耐魔力が少なすぎるんじゃない!」
「って、マスターは遠坂だろうに」

そんな三人のことを知らないように、セイバーは黙々と食している。西行寺幽々子とでもいかないが、妖夢も大食いな部類に入るのだろうか。今回の衛宮士郎とは、魔力供給の繋がりがあるので、食するエネルギーは必要ないはずだが、ただ単に、好きなだけかもしれない。

「さて、シロウ?デザートは無いのですか?」
「セイバー。待っててくれ。水ようかんがあるから」
「衛宮君、気が利くわね。デザートがあるなんて」
「ああ、これは朝の茶請けとして作っておいたんだが、まあいいだろう」

士郎は、三人分の水ようかんを準備した。アーチャーはまだ伸びている。

「うっ・・・カハッ・・・トオサカ・・・さっきのはきいたぞ・・・」
「あら、デザートの時に起きるのね。衛宮君、もう一人分お願い」
「了解」
「デザート?」
「そうよ、アーチャー。水ようかんは食べられるわよね?」
「ああ、大丈夫だ」
「そう。よかった。だめだったら、どうなるかわかってるよね?」
「ひっ・・・」
「なぜ、アーチャーのマスターよ・・・」
「凛でいいわ」
「では、凛、なぜそこまでデザートに凝るのですか?」
「あら、あなたもそういう口でしょ?セイバー?」
「まあ、別腹という意味ならわかりますが・・・」
「そういうことよ」

士郎が台所からアーチャーの水ようかんを持ってきた。その大きさは他の分より大きい。なぜか?それは・・・

「衛宮君、なんで、アーチャーの分が多いのよ?」
「だって、アーチャー、伸びていた時の分の料理食べていないだろう?その分さ。食べれるよな?」
「ああ、簡単に平らげてもらおう」
「そうだ。アーチャー、さっきの話、見せてやるから土蔵に来いよ?」
「本当なのか?」
「本当さ。幻想の武器の投影は特に得意なんだ」
「ふむ。了解した」
「何?さっきの話って」
「想像上の武器類の投影の話さ」
「あれって、冗談じゃなかったんだ?」
「ああ、本当の話さ。同盟関係をするんだったから、説明するよ。俺の魔術特性は・・・」
「って、そんな大事なこと話してもいいの?本当にいいの?」
「いいさ。知っても打開策なんてつくれないから」
「そうなの?じゃあおねがい」
「俺の能力の名は、妄想を具現化する程度の能力さ」
「何それ、妄想を具現化?そんなことができたら、聖杯戦争なんて必要なかったんじゃない!ふざけるのも大概にしてよね!?」

しかし、その発言がくつがえされるようだと、証明しているかのように、士郎は真剣だった。一心に遠坂の目を見ている。

「これが、嘘を言っている目に見えるか?」
「その真剣な証拠を見せてよ」
「じゃあ、遠坂、何か具現化してほしいものを言ってくれ。俺が知っているものなら具現化してみるよ」
「そうね。本当にできるなら、どこでもドアを出してよ」
「ふむ。やってみよう」
「は・・・マジ?」
「真剣と書いてマジとよむ。じゃあやるぞ?」
「うん・・・」
「同調・・・開始!」

<イメージするのは、常に最強の姿だ・・・みんなのヒーローである幻想ロボットの愛用の道具をイメージするんだ・・・よし、同調完了!>

すると空中に、黄金に輝くように、ドアが具現化した。高さ二メートル、幅50センチのドアである。それを士郎は手に取り、部屋の玄関側の壁に立てかけた。

「本当に具現化したの?・・・まさか、機能まで具現化しているわけないでしょう?ただのハリボテでしょう」
「じゃあ、試して見ろよ、遠坂。遠坂邸にセットしておいたから」
「わかったわ」

遠坂がドアを開くと、本来なら壁になるのだが、そこには、遠坂邸のリビングに続いていた。

「う・・・そ・・・結界をも超えたの・・・?」
「どうぞ」

一歩を踏み出した。ちゃんと壁ではないリビングだった。凛は唖然としている。そりゃあそうだ。魔術では空間転移という高等魔術などほとんどできるわけがないのだ。それはもう魔法の域だからだ。しばらく唖然としていたものの、気を取り直したのか、リビング内を散策している。本物なのかどうかを調べているようだ。いつもの我が家だということがわかると、一息、呟いた。

「衛宮君、もしあなたのことが、魔術協会に知られたら、完全に封印指定を喰うわよ?・・・だから聖杯戦争の勝利云々関係なく、私の弟子になりなさい。そうすれば私の庇護という理由で魔術協会の調査を防ぐことができるわ・・・どう?」
「封印指定ね。確かに俺の魔術は魔法の域だということは、もう数十年前から親父から聞いているよ。その調査を防ぐために俺なりには対処はしてきたんだけど、確かにもう限度があると思ってきたところだ。その誘い、承諾するよ」
「そう・・・よかった・・・反対されてたら、今あなたをここで消す必要があったから・・・ところで、その今までしてきた対処ってどういうの?」
「マジシャンとして、仕掛けがありますよーということにしてきたんだ。覆面プロマジシャン・シロウっという名前で数年前から月に一回、新都のほうでマジックをやっているんだけど、知らないか?」
「あーなんか聞いたことがあるわね。なぜか土日だけしかやらないとか。あれ、衛宮君だったんだ」
「そうさ。実際には、一部魔術を使ってはいるが、純粋にマジックを使って、技術の向上をはかっているよ」
「一部魔術って、巧妙に防いでいるのよね?じゃなかったら、私の制裁を喰らわすわよ?」
「だっ!・・・だいじょうさ!投影魔術を懐から取り出すようにしているから!」
「なら、よかった」
「じゃあ、ここからが本番だな」
「次あるんだ?」
「ああ、さっきアーチャーと言い争ったとき、ゴルン・ノヴァという幻想の剣を言ったんだけど、それを投影してみるよ」
「アーチャー、説明お願い」

するとアーチャーはなにやら懐からメガネを取り出して、それを装着した。説明する際のスタイルだろうか?

「アーチャー、それ私の真似?」
「いいや、これはある高名なる方の受け売りだ」
「そう・・・チッ・・・」
「ふむ。で、先ほど衛宮が言っていた武器は、正式名称がゴルン・ノヴァといい、俗称は光の剣という名前でWikipediaには掲載されている。刀身が光でできており、威力は桁違いの名剣だ。伝説の剣としてその名をとどろかせている。他に伝説の剣と言えば、エクスカリバーやデルフリンガーなど多岐にわたるものがあるが・・・登場作品であるスレイヤーズが、ライトノベルとしては金字塔という作品でな、その影響力はとても大きく、その後のライトノベルや二次創作作品に影響させた大きさは計り知れない。つまりは、ライトノベルの幻想の武器としては源流にあたるものだ」
「ふーん。で、それってライトセーバーと比べたらどうなの?」
ライトセーバーか。これは大御所の武器を選んできたな。あれも光の剣と同じような構造だろうが、光の剣は唯一無二の存在。ライトセーバーは神秘よりも量産されたものとして内包する神秘性では格が違う。よって威力などは光の剣が強いことになる」
「なら、試すか?アーチャー?」
「いや、ここでの武器の振る舞いは危険だろう」
「確かにまあでも、投影するにはライトセーバーのほうが負担は少ないから、あとで土蔵で錬成しよう」

「?」

すると、アーチャーが士郎の発言に止まった。

「どうしたの?アーチャー?」
「・・・衛宮士郎、今、なんと言った?」
「だから、土蔵でれんせ・・・い・・・あ、やば」
「まさかと思うが、その錬成とは、アレの錬金術ではないだろうな」
「まあ、もうこうなったら、全部さらけ出すよ。仕方ない」
「そうか。やはりな。して、真理を見たことも再現しているのか?」
「容赦なくバッチリだぜ!」
「本当に、妄想が具現化できるのだな」
「アーチャー、ようやくわかってくれたか」

さっきから、凛は話に着いていけない。

「なにが、わかったのよ?」
「ああ、先ほどの錬金術とは、鋼の錬金術師という漫画からの出典だ。その世界での錬金術は、魔法の域で行使できるものでな、中でも真理を見た者は、代償を払いつつも、両手を合わせて錬成陣を必要なく行使できるようになるのだ。そんな設定を衛宮は、仕組みそのものを具現化してしまっているのだよ、凛」
「なによ、そのデタラメな能力は・・・」
「だから、言っているだろう?妄想を具現化するって」

それまで、お茶をすすっていたセイバーが語り始めた。

「ということは、シロウ、幻想郷の住人すべてのスペルカードさえも行使できるのですか?」
「もちろん、できるさ」
「ば、ばかな・・・」
「まあ、非殺傷設定を具現化するには、苦労したけど、他の作品の設定を流用したから大丈夫だよ」
「ま、まて、衛宮士郎、ということは、真名解放も楽にできるのか?」
「ああ、それを一度見たことがあるのなら、できる。ならやって見せようか。ちょっと、狭いから、校庭に移動しよう。遠坂、どこでもドアから出てこいよ」
「う、うん」

遠坂は自宅のリビングから衛宮邸の居間にもどった。そして衛宮士郎は、どこでもドアを、持ち上げて、設定をし直し、学校の校庭に設定した。

「学校の校庭なら、自由にできるな」

四人は、どこでもドアより、学校の校庭に移った。衛宮士郎は、三人を観客席サイドに見立て、そこから5メートル以上離れた場所に移動した。

「これから、ランサーの宝具、魔槍ゲイボルクを投影し、真名を解放する」
「お手並み拝見としよう。衛宮士郎

「・・・同調・・・開始!」

深く深く、内面に没頭する。唯一無二のその宝具を投影するからには、並大抵ではない魔力投入量が必要である。想像上の産物ならば、そこまで負担は必要ないが、名剣、伝説の武器というからならば、負担となる魔力エネルギーは高くなってくる。しかし、妄想を具現化する方法を採用するのならば、神秘性は少し減少するが、投影は可能である。しかし今回は、その神秘性も付与しての投影である。

「・・・憑依経験、年月の共感。できたぞ・・・ゲイボルク!!!」

大気が宝具に集中する・・・大気中の魔力を吸収しているのだ。因果を跳躍するその宝具は、必ず心臓に当たるという奇跡を起こす。

「どれどれ、衛宮、その宝具を解析しよう」
「いいぜ。アーチャー」

士郎は、片手で、ゲイボルクをバトンを手渡すように、アーチャーに渡した。アーチャーは一言、トレース・オンと言い、解析をしている。

「くっ・・・やはり正真正銘、これはゲイボルクだ」
「なっ・・・」

衛宮士郎以外は、沈黙した。そうだ。英霊の宝具を投影してしまうからだ。その神秘性も含有し、ランクも下げずに投影したのだから。アーチャーが保有する無限の剣製でさえ、投影品は、真名解放しなければ、本来の性能を発揮できない。ただ投擲される武器として存在するだけだ。その真名解放は、サーバントであるアーチャーでさえ、数種類ほどしか宣言できないものである。

いくら、神秘性がないから、そこまで負担が無いとはいえ、レパートリーがハンパない数の武器類、道具類を真名解放してしまう、衛宮士郎はサーバント級の存在である。もう、人間ではないのだろう。アルター能力がある時点で人間ではないのだが。

「衛宮君・・・あなたはもう人間ではないのね・・・」
「・・・そうだ。遠坂。俺はもう人間じゃない。アルター能力も発現してしまったからな」
アルター能力?」
「アーチャー、説明頼む」
「・・・もう、やけだな・・・アルター能力とは、異世界の神奈川県に隆起現下現象がおこり、その年に生まれた子供の数%の割合で、異質な能力を発揮する新生児がいた。その能力をアルター能力と言うんだ。武器や通信、装備、物質転換など様々な能力がある。スクライドというアニメが原作だ」
「で、それを衛宮君はどうしちゃっているわけ?」
「それをこれから、見せるよ。遠坂。はぁー!!」

衛宮士郎は、校庭にある土を媒介にアルター能力、サーバントモードを具現化した。これは、セイバー相当のサーバントと同等の身体強化を実現するものである。

「セイバー、手合わせを願い出きるか?」
「はい。では、覚悟はいいですか?シロウ?」
「ああ、O.K.だ。そして、引き合え!俺の武装練金!!!」

士郎の一声で、士郎の両手には干将・莫耶が出現した。形こそ干将・莫耶であるが、内包する魔力エネルギーは膨大である。何が出現するのか見当がつかない。

「なっ・・・まったく、デタラメな能力だ!」

アーチャーが言うとおり、士郎は、心臓に手をつけて、干将・莫耶を投影したように見せかけ、実際は武装練金、唯一無二の武器を想像する、これまた、別の異世界の錬金術である。原作はそのまま武装練金と言う。核鉄(かくがね)と呼ばれる錬金術の粋を集めた武器だ。その形態はそれを使う者により形態を変える。衛宮士郎は、干将・莫耶がその武器であったため、こうなった。

「いくぞ!セイバー!」
「参ります!シロウ!」

双方とも両手剣、二刀流である。

「ソードスキル"二刀流"再現!」

双方の剣が交わり、相殺される音が響く。

ガキィィィィィィン!!

士郎は、ソードスキルとアルター能力によりセイバーのサーバントと同様の身体能力、感覚能力、反応能力を得ている。その攻撃速度は、音速を超えている。セイバーのほうも並々ならぬ剣技だ。士郎の数歩先の剣技を見せている。そして、数戟打ち合った後、士郎は大きく後退した。

「・・・シロウ、実戦経験がないと言いましたが、能力はあるようですね。サーバント並の反応速度、身体能力でした」
「ありがとう、セイバー。そういってくれると助かるよ」
「では、試合はここまでとしましょう」
「了解した。はぁー」

士郎は、校庭の土の上に倒れ込んだ。能力の使用による疲れがでてきたのだ。

「衛宮君、その能力は、私たちにも実現できるのかしら?」
「ん・・・そうだな。人に教えようとはしてこなかったから、もしかしたら、できるかもしれない。でも、俺が具現化した武器や道具類の扱い方までしかできないと思うよ。俺の能力は特殊すぎるからな」
「そう。なら、第三魔法の頂にいける可能性もあるってことね。士郎には、宝石剣の複製と投影をしてもらうわ」
「なんだかよくわからないけど、凛師匠?よろしくたのむよ」
「これで、金蔓は万端ね。ところで、士郎、宝石とか金属類の投影、練金とかはできるの?」
「ああ、鉱物の投影は簡単さ。まあ、金とかになると少し魔力を消費するけどな。空想上の産物、ガンダリウム合金とかも錬成できるぜ。そしてそれを、刀鍛冶のソードスキルで武器にすることもできる」
「へー・・・・・・なんかよくわからないけど、すごいわね」
「って、呼び方が衛宮君から、士郎に変わっているんだが???」
「呼び方?それぐらいどうってことないじゃない」
「そうなのだがな・・・まあ、いいか」
「衛宮邸にもどりましょう」
「ああ」

四人は、校庭からどこでもドアで衛宮邸に戻った。

「よし!士郎、どこでもドアでさっきみたいに、私の家に接続してよ」
「ん?何に使うんだ?」
「だって、私たち、同盟関係であり師弟の関係になったんでしょ?ここに布陣しないといけないじゃない」
「え・・・・・・?」
「だから、同居するっていうことよ!」
「ど、同居!?」
「なに、驚くことじゃないでしょ?当然のことじゃない。師弟の関係になったんなら、親密にならないといけないでしょう?」

遠坂は、人差し指を士郎の顔に向けたかと思うと、眉間と鼻の先につーっとなぞった。妖艶な雰囲気を醸し出す。親しみというか、それらを通り越した関係ではないかと、士郎を弄ぶようだった。

「遠・・・坂・・・」

人差し指だけだった、遠坂は、接近した。肌が密着する寸前にだ。衛宮士郎はまるで蛇に睨まれた蛙のように硬直した。なぜかと言えば、硬直する魔術でもやっているかのようだった。実際、この衛宮士郎の魔術耐性は、標準的な衛宮士郎よりかは数倍の魔力耐性があるのだが、一流の魔術師、遠坂凛の魔術のほうが数倍は違う。どこまで背伸びしても、遠坂凛にはほど遠い性質である。通常の魔術であればならだが。

「衛宮君、妄想するのが得意って言っていたけど、空想と現実、どちらが好みかしら?」
「そりゃあ、リアルだろうが、空想もいい感じ・・・か・・・な・・・」
「そうなんだ、衛宮君・・・チッ・・・」
「と、遠坂こそ、どっちがいいんだよ?」

さっきの妖艶さがかき消されたように、遠坂は、素っ頓狂な反応をした。

「私?そうねぇ、やっぱりリアルでしょ!」

士郎は、体の拘束が消えて、安堵している。

「・・・・・・はぁ。遠坂、さっきの質問をするための演出だったのかよ・・・」
「そうよ。いい演出だったでしょ?エア充の衛宮君なら、アレだけでご飯数十倍分になったんじゃないかしら?」
「そうかよ、もう何でも言ってくれ。エア充だろうがリア充だろうが、俺は俺だ」
「そうなら、安心したわ。もしエア充で通すものなら、鉄拳制裁でもして、現実を直視してもらわないといけないんだからね!聖杯戦争は机上の空論じゃないの。現場で起きていることなんだから」
「ああ、わかっているさ。事件は現場で起きているんだって言うことだろう?」
「そう、士郎はのみこみが早くて助かるわ。っということで、荷物運び手伝ってよね?」
「・・・ふ・・・ん?」
「だから、荷物運びっていっているでしょう?ささ、アーチャーもよ、霊体化して逃げないでよね」
「仕方ないか・・・衛宮士郎、こっちにこい」

アーチャーは、どこでもドアで遠坂邸に入り、リビングに入っていった。衛宮士郎も誘われるままに入っていった。

「凛、君の私服以外の荷物は旅行鞄にすでに入っている。君が暢気に衛宮士郎を誘惑していた隙にな」
「そ、了解したわ。アーチャー。本当に私服以外なんでしょうね?」
「ああ、そうだ。決して、紅の色の縞パンや、上下に蜂模様の入った水着などを旅行鞄にはいれてはいな・・・「ガント!」」

バタッ

「クハッ・・・り、凛、今の一撃は渾身のだな・・・耐魔力が低い私の弱点をついてくるとは・・・」

「アー・・・チャー・・・殺していい?」

凛は、右手の令呪にまで手をかけようとしている。

「は!速まるな、凛!ただ、下着の一枚や二枚、晒されたところで、って、令呪まで使うことはなかろう!?・・・「黙れ!」・・・ウッ・・・」

合掌。

いや、死んでいませんよ?ただ、永い眠りに入っただけです。

「凛、不憫なサーバントをもって苦労していますね」
「そうよ、まったく、なんでセイバーみたいな高貴なサーバントを召還しなかったのよ・・・こんな変態なサーバントを召還しちゃったんだろう私・・・」
「アーチャーは、サーバントの前に漢だからな。名誉の死さ」
「士郎もガントの一撃喰らっとく?」
「遠坂、俺は確かに、アーチャーの肩を持つかもしれんが、それは漢としての尊敬の念からだ。遊びの感覚で同情を持って見てはいないよ」
「そう。ならいいわ。エア充な士郎らしいとは、らしいかんじね。さて、さっそく旅行鞄を運んでくれる?アーチャーがちょっと邪魔だから、踏んづけてもいいわよ。たぶん、アーチャーなら私みたいな女の子に踏んづけてもらった方が楽しい奴だろうし」
「おいおい、遠坂、あまりアーチャーの変態度数を高めるような発言は・・・・・・良いか別に」
「もうアーチャーではなくて、サーバント・ヘンタイで決まりね」

それまで黙っていたセイバーは、哀れみの目を元アーチャーに見ていたが、それを軽蔑の目に変えてしまった。私も元アーチャーに対する身の振る舞い方を一考しなければという顔立ちだった。

「元アーチャー。南無阿未」

死者を弔うかのように、衛宮士郎はサーバント・ヘンタイを憐れんだ。目覚めることさえ不可能な雰囲気で。ほんと、アーチャーは不憫だ。しかし、己がした行為を正当化することはできないほどに、おふざけが過ぎた結果だ。

「さて、遠坂、この荷物を、、、離れの居室に運ぶことでいいな?」
「うん、その場所がいいのなら、それでいいわ」
「離れの部屋なら、客間としてつかっていいから、自由に使ってくれ」
「了解したわ士郎。そこに運んで置いてくれる?」
「了解」

セイバーは、倒れている元アーチャー、ヘンタイを後目に、アーチャーが食べる予定であった、水ようかんをたべていた。

「やはりおいしい。シロウのつくる水ようかんを作れるようになれば、幽々子様を手なづけることができるかもしれない」

なんか、主従関係を崩壊させるような発言があるが、そこは気苦労の多い魂魄妖夢らしいところではある。

「シロウ、凛、私も手伝います」
「ありがとう、セイバー。助かるよ。アルター能力を使っても、重いものは重いからな」

そうして、荷物は運び込まれ、簡易的な工房を作った。

遠坂は、ベットに座り、手足を伸ばしている。

「うーんっと!ちょっと疲れたわね。士郎?もう寝る時間よね?」
「そうだな。よい子はもう寝る時間だ」
「ところで、セイバーはどこに寝るのかしら?」
「私ですか?私は、シロウの横の部屋に寝させていただきます。万が一何かがあったら、すぐに駆けつけられる場所ですから」
「よかった。セイバーは俺の部屋の隣だな?了解した。ふー」
「そうよね。衛宮君。あなた、もしかして、一緒の布団で眠りたいとかなんとか言おうとしたんじゃないかって思ったんだけど」
「なっ!そんなことは、思いつかないさ!好きな子の隣ですやすやと寝れるかいッ!」
「・・・・・・シロウ、それは告白ですか?」
「ああ、もう、何になっても知るか!そうだよ!俺の愛機は魂魄妖夢でありそれ以外でもない!俺の空想上の嫁も魂魄妖夢だ。だから、セイバーがそうだったと聞いたときから包容したい感がめちゃくちゃでてきたが、今まで抑制してきたんだ」

セイバーは頬を赤らめ、小言でぼそりと述べた。
「・・・シロウなら・・・この身は剣となり、あなたを守ります。幽々子様に使えるがごとくにです」
「ありがとう。セイバー」
「って、何かさらりと真名を言ったような」
「凛、私の真名はそこにのびているヘンタイに交換しました」
「あ、ヘンタイにね。了解したわ。にしても、魂魄妖夢っていう英霊なんかいたかしら」
「遠坂、妖夢は幻想郷っていう異世界から呼び出された存在だよ。まあ、ゲームの設定上の話だけど、幻想郷に対する信仰は高いからな、それでサーバントとして呼び出されるに等しいということになっただろう」
「そう。まあ、この際ゲームとやら空想上の存在やらのことは、深く詮索することはしないでおくわ。もう頭がパンクしそうだから」
「じゃあ、おやすみ。遠坂。ヘンタイの対処は任せる。マスターとしてけじめはつけてくれ」
「あー、まったく、なんでこんなヘンタイを引き寄せたんだろう?・・・士郎、セイバー、おやすみ・・・」

士郎とセイバーは母屋に戻り、士郎の寝室に移動した。

「セイバー。こっちに布団があるから、隣の部屋で寝てくれないか?」
「はい。わかりました。でも良いのですか?」
「なにがさ」
「憧れていたのでしょう?私に出会うために生まれてきたようなものでしたから」

「・・・・・・っ!」

今度は衛宮士郎が頬を赤くした。そりゃあそうだ。嫁として愛しているのは当然のことだ。そのこと、琴線に触れるような発言っぷりをするとは思わなかった。それほど、その言葉は士郎の思考回路を占領するには早すぎた。

そのことを、知ったようにセイバーは、硬直している士郎を抱擁した。

「大丈夫ですよ。わたしはどこへにも行きません。いつもあなたの側で使えさせていただきます」

そのことに気づいたのか、士郎のほうから抱擁を解き放った。

「・・・セイバー・・・ありがとう・・・助かったよ」
「私にできることなら、どうぞ、何度でもハグさせてもらいますよ?」
「いや・・・二人だけの時だけな・・・(照)」
「はい。思う存分大丈夫ですよ。それで士郎が安らかになるのなら」
「ありがとう。セイバー。おやすみ」
「はい。おやすみなさい」

そうして、一人用の布団一式を押入から持って行ったセイバーを、最後まで見て、士郎は一人、布団の中で悶々としていた。そりゃあ、気恥ずかしい場面を客観的に思ってしまったからだ。寝れる状況じゃない。しかも襖一つ先にはセイバーが寝ているからだ。

だから、寝れないので、布団からでて、寝ているセイバーを起こさないように、土蔵に移動した。そこで衛宮士郎は白楼剣と楼観剣をイメージした。

この剣には特別に思入れがあり、妖夢の主武装であるものだからだ。この剣を投影するからには、並大抵の投入ではいけないと思っている。伝承されている宝具を具現化するように投影しなければならないと思っている。

この衛宮士郎の能力を使えば、簡単に出現させることはできるのだが、この身でできる、投影魔術で投影することにこだわっている。投影してこそ、身につくことがあるからだ。遊びで一度、出現したことがあるが、何か心に通うものが無かったので、破棄したことがある。真に迫った武器のイメージは投影魔術が一番優れており、それをするのが一番いいからだ。

精神的に。

すると、月明かりだけが届いている土蔵の扉に、人影が差し込んだ。しかし、士郎は投影に集中しており、気づかない。

「まったく、とんだ集中力だな。衛宮士郎

「っつ!なんだよ、ヘ・ン・タ・イかよ」
「・・・・・・その発言は撤回してくれ、先ほど、凛にこっぴどく怒られてな、気が滅入っているからだ。もう前科は犯さないと心に誓ったさ」
「そうなら、仕方ない。アーチャー、投影の邪魔にしにきたのか?」
「いや、見に来た、ということだ」
「そうか。なら、集中の邪魔だけはしないでくれよ」
「了解した。始めるがいい」
「・・・・・・」

<やはり、すごい集中力だ。これほどのものは、私にはできそうもないなやはり、この度の衛宮士郎の暗殺計画は無効にしよう。この衛宮士郎ならば、バカな真似はしないだろうからな>

「・・・投影完了!」

すると、

士郎の左手に、人間の迷いを絶つ、白楼剣

士郎の右手に、妖怪を十度も滅ぼすことができる、楼観剣

が投影された。

「白楼剣と楼観剣か。セイバーの主武装だな」
「そうだ。しかもちゃんと剣の能力を再現している」
「どれどれ、見せてくれ。trace on.・・・・・・なるほどこれは宝具だな」
「そうだろう?まあ、本物にはもうちょっと届かないけど、強度は真に迫っているから、明日にでもセイバーに見てもらうさ」
「・・・一つ、確認したいことがある」
「なんだよ、改まって」
衛宮士郎・・・・・・貴様は、正義の味方に憧れているか?」
「正義の味方?まあ、一応は、憧れていることはあるけど、それは空想上の発想だろう?しかも正義の味方は、相対的な存在だ。必ず明確な悪がいなければなれない存在だ。それぐらいのことは解っているつもりだけど」
「そうか。ならいい。本気で正義の味方になるつもりであったのなら、ここでシトメておかなければならないからな」

「・・・アーチャーは、正義の味方に恨みでもあるのか?」
「ああ、そうだ。強い恨みがある」
「なら、そのことは忘れてくれ。ここにもアーチャーの味方になる俺がいるから」
「・・・!・・・そうか。安心した」
「なんだよ、その発言。死亡フラグじゃないよな」
「いや、ただ安心しただけさ。さて、もうそろそろ寝たらどうだ?明日はセイバーと稽古があるのだろう?」
「ああ、そうだけど、今日中に作っておきたい宝具があるんだ」
「ん?どんな宝具だ?」
「007は知っているよな?」
「ああ、スパイ映画だとは知っている」
「その中でも宝具として認知されている拳銃を投影する」
「その名は?」
「黄金銃だ。当たった身体の部位に限らず必ず相手を死に至らしめる魔銃の類だ」
「そんな、物騒なものをなぜ投影するのだ?」
「この拳銃の上位版を投影するためさ」
「そうか。念のため、非殺傷設定にしておくのだぞ?」
「ああ、解ってる。必ず当たった箇所がかゆくなる程度に納めておくさ。弾丸もBB弾にしておくよ」
「安全には抜かりないな」
「では、投影・・・」

イメージするのは、最強のBB弾だ。必ず当たる箇所がかゆくなる宝具として投影する。ふざけた設定だが、真剣に行う。構成材質解明、経験年数投影。その他、ありとあらゆる年月を投影。弾数は一発。しかし魔術で無限弾に設定。非殺傷設定の完了。

「いくぞ!」

衛宮士郎の腕の中に黄金に輝くエアガンが登場した。材質は金が利用されているので重量感がある。どっしりとするその弾倉には金メッキにされたBB弾が装填されている。

「細部まで投影してあるな。まったく、どこからそんなマナとオドを集めてくるんだ・・・チートすぎる」
「まあ、こればっかりは企業秘密だから、教えられないけど、でも投影魔術と似たような構造であることは確かさ」
「もう午前2時だ。そろそろ寝る頃合いだろう」
「そうだな。アーチャー。監視を頼むよ」
「あい、わかった。安心して寝るがいい」
「ああ」

そして衛宮士郎は、母屋の寝室のほうに向かった。朝5時に起きるので、3時間睡眠だ。

「にしても、この拳銃。構造こそエアガンだが、宝具の性能は、非殺傷設定にしては、巧妙すぎる。これは一種の毒性のものだな。試しに凛にでも試してみるか・・・・・・フフフ」

またよからぬことを、マスターである凛に仕掛けようとするアーチャー。一度やられたぐらいではダメのようだ。まったく、度し難いやつだ、アーチャーは。


次回につづく?


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第二話になりましたね。タイトルの幻想の武器は、白楼剣と楼観剣のことでした。たくさん幻想の武器がありすぎて、困っています。私がです。引き出しはほとんど無限に存在するので、その都度解説していきますので、ご安心ください。

超多重クロスオーバーになってしまいましたね。もういいんです。諦めてください。もう何もかもが登場してもひるまない精神を持ってくださいね。

さて、次回は、大河と桜の登場回です。どうなるかは、ご想像に委ねます。大河が壊れるか、桜が壊れるか、どちらかに一つかもしれません。両方壊れるかもしれませんね。おもしろくするつもりです。

ん?イリヤが出てこないって?そのうち出しますよ。その内ね。

ではまた。