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小説の墓場

剣舞の錬金術師 第八話「帰還」

第08話「帰還」

さて、少しづつ外伝の内容をフィードバックしていきますよ。

*******

リゼンブールからセントラルシティに帰ってきた三人。その足でまたマスタング大佐のもとに行くことにした。

「なんだよ、まったく何度も何度も大佐のところへ行かなければならないんだよ」
「しょうがいないだろう。休暇報告をして傷の男の対応をしなければならないのだから」
「そうだけど・・・」
「エド、軍人たるもの上司の意見はよく受け止めてみることだ。必ず最先端距離で成果に導く道標となるからだ」
「兄さん、苦手だからねマスタング大佐のこと」
「あんの、偉そうにする態度が気に食わん」
「だって、大佐だよ?普通のことだと思うけど」
「いや、アル、大佐の中の中には黒い野心が渦巻いているんだよ。それが嫌いな理由の一つだ」
「野心か・・・君らにもあるだろうに」

マイルズの言葉にグサっときたのか、エドは肩をおろした。

「うぐっ・・・それはそうだけど・・・」
「何か似ているのかもしれないな」
「ぐえぇ。大佐と俺がぁ?」
「似ているものは互いに引き合う。一般知識で勉強しただろう?」
「国家試験の一般知識だったけな。たしかにそんなの勉強したなぁ」
「互いに似た箇所は引き合う。錬成魔陣でも錬成前と錬成後の性質が互いに似た関係性ならば、錬成がとてもスムーズに成功することがある」
「相互関係の和かぁ。これは試練かよっ!」

三人が話し込んでいると、中央司令部正門にたどり着いた。

「さて、中央司令部だ。到着だ」

マスタング大佐の在室している部屋の前までの道中、三人は一言も話さなかった。険悪な空気源は、エドであった。よっぽど嫌いらしい。そんなことも知ってか知らないか、マイルズ中佐は、先頭を歩いて二人をマスタング大佐のところへ導いた。

コンコン・・・

「入りたまえ」

部屋の奥から大佐の応答があった。

「やあ、鋼の。そしてマイルズ中佐。休暇はどうだったかね。楽しめたか?」
「はい。思わぬ収穫がありました」
「ほう?収穫とは?」
「私は、機械鎧の最先端技術に加担しているのですが、その専門雑誌を愛読しているファンに出会いまして。それがとても良かった点ですね」
「ほう。それはもしかして、これかね?」

マスタング大佐は、デスクの上に機械鎧の専門雑誌、”月刊誌ラッシュメイル”をおいた。

「この本は私も購読していてね、この雑誌で先月号から始まった、生体人形の研究報告で、エミヤ・シロウという研究員が登場するのだが、これは、君だろう?マイルズ中佐」
「大佐のもとにもありましたか。そうです。私です」
「成長する義手義足とは、これまでの機械鎧とは異なる系統だな」
「はい。しかし、基本的な構造は機械鎧に似たようなものですので、これまでの技術にプラス、錬成魔陣の技術を応用するだけで大丈夫です」
「ほう。やはり便利だな。錬成魔陣は。ところで、一つお願いがあるのだが、いいだろうか?」
「なんでしょう?」
「君からもらった錬成魔陣の資料を一通り読んだのだが、これだけでは錬成魔陣の行使には足りないので、もっと資料が欲しいのだ。ブリックスに帰ってからも定期的に資料を送ってほしいのだよ」
「それなら、これを使ってください」

マイルズはどこから出したのか不明だが、懐から電話の子機のような大きさの無線端末を取り出した。それを大佐に渡した。

「これは、無線機かね?とても小さいが」
「はい、これは通信講座専用機です。録音機能もあるので、私から講座を発信しますので、それで録音されたものを聞いてください。また、毎月資料を送付しますので、それで錬成魔陣の実習をまかなえます。専用周波数を添付の資料に明記してありますので、それにあわせてください」
「ほう。これも君が作ったのか?」
「はい。特製です」
「ありがとう。マイルズ。ありがたい恩だよ」
「受講生はこれで4人ですので、少数でやっていきます。質疑応答は、発信ボタンで私の端末で録音する形で受け答えします。それぞれの端末には固有の周波数が割り当てられ、そこに返信し録音するという形での応答をします」
「とても高性能だな。軍にも欲しいものだな」
「この無線機の製造には、ブリックスの製造スタッフが関わっていますので、彼らと相談の上に、こちらでもできるかもしれません」
「できるかもとは?」
「はい、これは、錬成魔陣の回路を持つ部品が多数あるので、錬成魔陣を駆使できる者しか製造できないのです」
「そうか。特注製なのか。では、こちらが買い取るということで、受注方式を採用するということでいいだろうか?」
「はい。その方法ならば可能です」

「交渉は成功だな。よろしくたのむよ。おっと、そうだったそうだった、鋼の。休暇はどうであったかな」
「やっと俺ですか・・・」
「何、忘れてはいないさ」
「まあ、うちの整備士に義手と義足のメンテナンスを任せましたよ。そして、マイルズさんの通信講座に受講しましたからね!」
「!?ということは、競争かそういうことか、マイルズ」
「いえ、別に競争させようとはしていませんよ。彼らの目的は、大佐とはことなります。この通信講座の目的は、受講生それぞれの要望別に教材を提供することにありますので、競争しても求める結果はことなりますから、変に力まないようにお願いします」
「そうか。それならいいのだが。で鋼の。話の続きだ」

エドはじとーという目で力つきたように頭を下げていた。大佐のペースが嫌なのだろう。かわりにアルが答えた。

「・・・それで、ラッシュメイルの記事の更新のために、僕たちはここセントラルに一週間ほど泊まることにしたんです」
「そうか。大変だな。事務用ならばここにくればタイプライターの貸し出しもしているから、使っていきたまえ」
「ありがとうございます。大佐!」
「そろそろ、顔をあげたらどうだ?鋼の」
「はーっ。しかたないか。くよくよ考えても何もはじまらない」
「そうだ。何も始まらない」
「大佐は、何を通信講座で勉強するのさ?」
「そうだな。何時何時でも焔の術式を発動させることだな」
「やっぱりね。それなら、わざわざ通信講座を受ける目的はないんじゃないの?」
「まあ、そうだな。目指すのは、錬金術を使えない物たちにも使えるようにするのが、目的だ」
「錬成魔陣で軍隊をつくる気なのかよ?」
「まあ、そういうことさ」
「大佐らしいな」
「どうとでも言いたまえ」

エドは、マイルズに振り返った。
「マイルズ中佐は、これからブリックスに帰るんですか?」
「ああ、その予定だが?」
「あー!そうだった。そうだった。マイルズ、大総統が午後、総統府に来るようにとのことだ」
「大総統が?」
「たぶん、例の錬成で談義したいのだろう。行っておきたまえ。これは大総統の命でもある」
「わかりました。これより総統府に向かいます。では、エド、アル、大佐、通信講座にて会いましょう」
「ああ、よろしくたのむよ」
「はい!」
「ありがとうございます!」

そして、マイルズは、持ってきた旅行バック共々、退室していった。向かうは総統府だ。マイルズが退室したあとの部屋では、三人がゆったりとしていた。

「ふー。あ、傷の男のことを伝えるのを忘れていたな、鋼の、伝言を頼む事にする」
「えー。大佐がやればいいじゃないか」
「私には、私の任務がある。傷の男が北方司令部管内で目撃されているのだ。この内容をマイルズ君に伝えるのだ」
「しかたないな。伝えてくるさ」
「そうだ。早く行かないと、総統府に着いてしまうぞ」
「了解。アルは、ここで待っていてくれよ?」
「うん!いってらっしゃい。兄さん」

エドは、素早く外に出て、マイルズ中佐を追いかけた。

バタン・・・

ドカドカドカ!

廊下は走るなと言いたいくらいに音を出して走った。

「マイルズ中佐!!」

トントントン・・・

廊下を歩いていた、マイルズが振り返った。
「ん?エド、何かあったのか?」
「はぁはぁはぁ。大佐からの伝言を伝えにきました」
「そうか、すまんな」
「いえ、で、北方司令部周辺で、スカーが目撃されたそうです」
「スカーが北にいるのだな。そうか。了解した」
「お気をつけ下さいとのことです」
「うむ。ご苦労」
「これから総統府に行くんですね?」
「そうだ」
「頑張ってください!」
「ああ。ありがとうな」
「はい!では!」

そうして、エドとマイルズは一時の別れをした。その後、エドは大佐の部屋にもどり、報告をした。

バタン!

「大佐、伝言つたえてきたぜ」
「おう。ご苦労。これで任務は解除だ」
マスタング大佐、マイルズさんはどうなっちゃうんでしょうか?」
「大丈夫だよ、アルフォンス君。手合わせくらいで終わるだろう。実地試験のように真剣な方法での会合ではないだろう」
「そうですか。なら安心ですね」
「それよりは、おそらく、通信講座に大総統も加わるかもしれんという不安だ」
「そうか!通信講座の事とか、月末の近況レポートに書いたからか?」
「多分、そうかもしれん。そのレポートを大総統が見たのかもしれんな。普段は見る事はないだろうに。それほどマイルズ君に注意が注がれているようだ」

場面は変わり、大総統府の大総統室に到着した。扉を開けると、秘書室につながっていた。

「こんにちは。大総統は、自室におられるので、どうぞ、お入りください」
「ありがとうございます」

簡単に挨拶をして、マイルズは、大総統室のノックした。

コンコン・・・

「誰かね?」
「はっ!マイルズ・アインシュトー中佐です。ロイ・マスタング大佐よりこちらで赴くように伝令を受け、来ました」
「おっ。ようこそ。入りたまえ」
「はっ」

入出すると、大きな本棚が両隣にあり、ガラスのディスプレイには、サーベルが所狭しと飾れてあった。どのサーベルも丁寧な管理が行き届いており、見事な輝きがある。本棚には、サーベルの作り方などの解説書から帝王学に関する書籍等、大総統らしい本などがガラスの扉に厳重にしまわれている。そしてマイルズ中佐が入室したちょうどに、大総統は席から立ち上がった。

「ようこそ。大総統室へ。国家試験の試験以来だな」
「はい。ご無沙汰しております」

大総統は、机から、ソファに座した。
「さあ、座りたまえ」
「はい」
「ところで、君を読んだのは、君が開設した通信講座というものが気になるのでな、その紹介をしてほしいのだよ」
「ああ、通信講座のことでしたか」
「錬成魔陣という魔術の正体を理解したくてな。興味本位で知りたいのだ」
「では、これから言う質問にご回答願えますか?」
「いいだろう。適格者がどうかの判断なのだな」
「はい。講座を受講する目的は何でしょうか?」
「私は、錬金術を使えん。しかし強靭な肉体でここまで上り詰めてきた。だが、年には勝てんところがある。それを補うために、錬成魔陣で俊敏性を高め、索敵能力の向上をしたいのだよ。そして君が見せた剣の投影にも興味があるのでな」
「了解しました。確かに、錬成魔陣には、錬金術にはない身体面の能力の向上をさせることができます。そして投影ですが、この投影の特性を調べるために、ちょっと調べさせてもらえませんか?」
「ボディチェックかね?」

マイルズはポケットから布製の錬成魔陣が明記されているものを取り出した。

「いえ、この錬成魔陣の錬成陣に手を当ててもらうだけで大丈夫です。」
「ほう。そういう使い方もできるだな。便利な物だな」

大総統は、マイルズが用意した錬成陣の紙の上に両手を置いた。すると、錬成陣がオレンジ色に発光し、錬成陣上にサーベルが投影された。それには微細な彫刻が彫られている。また、その色はダークレッド調である。血の色をしたそのサーベルには、ブラッドレイ大総統をそのままサーベルにしたようなものであった。

「このサーベルが大総統の宝具となるものです」
「宝具とはなにかね?」
「はい、宝具とは、唯一無二の魂を武器として具現化したものです。いつでも心に呼び出して瞬時に使う事ができる物です」
「ほう。それは魔法のようだな」
「はい」

大総統は、自分の身よりいでた武器を握りしめて、しげしげと見入った。

「これの名前はあるのかね?」
「いえ、大総統が命名してください。例えば、真名”ブラットレイ”という名前はいかがでしょう?」
「確かに、私の魂を具現化した物ならば、その名がよさそうだな。ではその名前を採用しよう」
「ありがとうございます」
「このサーベルには、錬成魔陣術者の俊敏性、索敵能力の向上のスキルが向上するようにできています」
「ほう。それはそれはいいものだな」
「はい。それではこちらの携帯無線端末にて、錬成魔陣の講座を行いますので、私がブリックスに帰る日に最初の講座、すでに行った宝具の錬成をさせていただきます」

マイルズは、携帯無線端末を大総統に手渡した。

「軽いな。小さいのに軽いとは、これもまさか、錬成魔陣できているのではないのかな?」
「鋭い洞察力ですね。その通りです。バッテリーは周囲の魔力エネルギーを原材料にしているので、洞窟などに入らない限りは永久的に稼働しつづけます」
「ほう。それは素晴らしい物だな」
「また、臨時の際の緊急電話にもなりますので、無線番号を登録しておくと良いかもしれません」
「説明書は、ふむよく読ませてもらうよ」
「ありがとうございます」

「トレースオフ」

大総統は、一言発言すると、ブラットレイを消去した。

「うむ。便利な物だ。ところで、マイルズ君、君はまだ私に話していない秘密があるのではないのかね?」

<やはり、そうきたか。どうする?マイルズ!>
<仕方ない。限定解除して固有結界の片鱗をみせよう>
<片鱗とは?>
干将莫耶を宝具として投影し、ある英雄の真似事でもしてみるさ>
<策があるのだな?では任せるぞ>
<ああ、了解した>

「大総統の前では、私は裸同然ですね。はい。実地試験で見せたのは、私の能力の一欠片にすぎません。私の宝具は、剣の投影ではなく、剣を内包する世界の投影です。これが私の世界です。ゆえに、剣をその倉から運び出す手法でとりだすので、無限の剣製と呼びます」
「やはりか。どうして隠していたのかね?」
「隠してはいなかったのですが、少々刺激が強すぎると思いましたので、秘匿させていただきました」
「そうか。確かにこの宝具のシステムがあれば、強靭な軍隊を組織するのもできるからな。危険性があるということはわかる。話してくれて、感謝するよ。君の本来の使命にもどりなさい」
「はい」

<ふう、片鱗を公開せずに終わったな>
<ああ。だがこれからが問題かもしれん>

帰りの支度をし始めたマイルズは、ふと、思い出したように大総統に話しました。

「そういえば、この講座は大総統により、5名となりました。これ以上の人数はできないので、ご了承ください」
「そうか。残念だな」
「よろしくお願いします」

帰りの支度を終えたマイルズは、退室しようとした。その時、大総統がマイルズに語った。

「マイルズ君、北が騒がしい事になっているらしいが、君ならば沈める事ができそうだ。よろしく頼むよ」
「はっ懸命にがんばります」
「うむ」

バタン・・・

<はーはーはー。疲れた>
<ご苦労様だ、マイルズ>
<これでゆっくりと帰れるなぁ>
<あ・・・そうだ。三人にテキストを渡しておこう。郵送する手はずであったが、まだいるだろうから、渡しにいこうか>
<ああ、了解した>

マイルズ中佐は、マスタング大佐の部屋に寄った。するとそこには、エルリック兄弟がまだいるようだ。扉ごしに何か笑い声とともに二人の声が聴こえる。

コンコン・・・

「ん?」
「マイルズ中佐です」
「おお?まだ帰っていなかったのか?入りたまえ」
「お帰りなさい」
「実は、最初のテキストを渡しておこうと思いまして、寄らさせてもらいました」
「おう。最初のテキストか。どれどれ」

マイルズは大佐とエルリック兄弟にテキストを配った。

そこには、”第一講座・宝具の投影”と記されてあった。

「宝具?何か宝でも発掘するのかね?」
「ええ、唯一無二の武器を創造をするのです」
「それが、宝具っと。マイルズさん、この錬成陣で錬成するんだよね?」
「ああ、そうだ。まあ、やるのは明日にしてくれないか?」
「そうだよね。もう日が暮れちゃったから、兄さん、明日にしようよ」
「そうだな。大総統の無茶ぶりに会っていたのだから、マイルズ君も気疲れたようだし」
「・・・わかりますか?」
「ああ、気疲れが顔に出ているよ」
「うーむ。顔に出ないようにはしていたのですが、気を引き締めていきます」

マイルズは、荷物を持つと、夜行列車に向かう準備をした。

「大佐、短い間でしたが、お世話になりました」
「いいのだよ。また講座で話し合うのだから」
「そうですね。了解しました」
「では、エド、アル、鍛錬を良くしておくように」
「はい!」
「ではまた」

バタン・・・

マイルズは今度こそ、中央司令部を後にした。

「行っちゃったね。兄さん」
「ああ。それにしても、月刊誌ラッシュメイルの記事の更新をしないとな」
「原稿はできているんだし、あとは簡単でしょ?」
「どれ、私が文章の添削をしよう」
「大佐、ただ原稿が読みたいだけじゃないか?」
「・・・ふむ。見破られたか。まあ、来月号を読めば良いか。にしても今日はもう帰りたまえ」
「そうだね、兄さん」
「それでは、大佐、明日よろしくお願いします」

すると、廊下から、物音がしてきた。誰かが素早く歩いてくる音だ。
「ん?」

バタン!と軽快に扉が開き、
「よーう!ロイ!」

うるさい奴が来たようだ。
「・・・ヒューズ、まだ仕事中だぞ・・・」

その言葉が聞こえていないのか、目の前のエルリック兄弟にヒューズは目をやった。
「おぉ!君が鋼の錬金術師かぁ!」
と、弟のアルフォンスに握手をした。

「いや、僕は弟のアルフォンスです。こっちが兄の・・・」
「おっと、失礼した。君がエドワード君だね?」
「はぃー<ちっこい言うなよ・・・>」
「君たち、今日泊まるところは決めていないんだろう?」
「・・・ぃえ、宿舎が・・・・・・」

ずいずいと、ヒューズがエドとアルに肉迫した!
「と・ま・る・と・こ無いんだろう?」
「ひぃ!!は、はい!」
「押しに弱いね、兄さん・・・」
「そういえば、ロイ、もう一人の錬金術師さんはどうしたんだ?」
「ああ、マイルズのことか?彼は、もうすでに北に帰ったよ」
「・・・そうか。残念だな。同じ中佐仲間ができると思ったのに・・・よし、じゃあ、二人とも、我がホームへ帰るぞぉー!」
「気をつけて帰りたまえよ」
「はい(うい)」

二人はヒューズ中佐に強制的に連行されていった。

部屋には大佐一人だけが残った。

「ふーむ。宝具か。どのようなものがでるのか楽しみだな・・・・・・もうそろそろ出てきても大丈夫です」

隣の部屋の扉が開いた。するとそこには、ブラットレイ大総統が居た。

「はっはっは。気がついていたかマスタング君」
「この部屋にはちょっとした仕掛けがついていますので、静かに窓から入ってこられたのですが、センサーが作動してわかったのです」
「投影した宝具の俊敏性を試してみたのだが、これはとてもいいものだよ」
「大総統、それを私に見せに来ただけではないのでしょう?」
「察しがいいな。錬成魔陣の軍隊利用の件で相談があるのだよ。君は、この錬成魔陣をどうやって軍隊利用するかね?」
「はい。この投影術ならば、すぐにでも利用できると思います。弾幕を魔力エネルギーで補い、魔力弾を生成して相手の精神力を削るという運用方法が可能かと思います」
「やはり、そう思うか。宝具生成陣を使って兵士一人一人の得意な武器の生成もできるだろうから、接近戦で効果を発揮すると思うのだよ」
「私も同意見です」
「では、君に、錬成魔陣の運用プロジェクトを、まず君の部下達に施す実験を課す」
「はっ!」
「よろしくたのむよ」

そう言うと、大総統は元の窓から外へ出て行った。

「ふー。楽しくなってきたな」

マスタング大佐は、笑みを浮かべつつ、これからするであろう展開に心踊らせていた。

場面は変わり、セントラル駅発着場。帰りの列車に乗ろうとしたら、後から着いて来た、エド達がやってきた。

「マイルズさん!」
「おお、お出迎えか」
「荷物を運びますね」
エドとアルは、列車の中に荷物を運んでいった。

「ん?あなたは?」
「はじめまして、マース・ヒューズ中佐です」
「あぁ、大佐から話は聞いています。大佐の親友なんですよね?」
「まあ、ロイから間柄は聞いているのなら助かります」
「出発する前に、同じ中佐仲間ができて良かったです。そうだ。もし何か私に相談することがあれば、この紙にある無線機にメッセージを送ってもらえますか?」
「おぉ。ありがたくちょうだいします」
「いいですよ、そんなにかたくならずとも」
「それなら、これでいいかな。マイルズは、これからどうするんだ?」
「まあ、北で国家錬金術師として最先端の軍事的研究と最前線への錬成魔陣の運用をやりつつ、通信講座で継承者を育成する魂胆ですよ。それ以外には野望という野望はまだないかな」
「俺は、ロイと共に上を目指す。そこはかわらない」
「そうか。なら、その発展に一役買いますかね。私の技術があれば最短距離で行ける可能性があるので」
「よし、これで、親友の契りは完了した。頼んだよ!ロイと皆の未来を守るためにな」
「了解」

すると、エドとアルが列車から出てきた。

「荷物を運び終わりました!」
「ありがとう、エド、アル」

そして、エドとアルは、マイルズを送るホームに移動した。

「記事の更新ができたら、そちらに行くかもしれないので、よろしくお願いします!」
「よろしくお願いします!」
「ああ、了解した。ではな、エド、アル!そしてヒューズ!」
「ああ、よろしくな!」

マイルズは席に座り、窓を開けて三人に手を振った。同時刻に列車は発車した。列車は速度を上げて、駅を出た。

「今度こそ行っちゃったね」
「ああ、にしても、大きなチャンスを得たのは確かだな」
「うん!」
「よし!二人とも、我が家に行くぞぉ!」
「うぃー」

二人は、ヒューズ宅に泊まった。その内容はご想像に任せる。

これから大変な事件が待ち受けているとは知らずに。


次回をまて。


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完了しましたね。最後の最後でヒューズとの連携フラグを構築しておきました。こうでもしないと、ヒューズの無茶ぶりをコントロールできないからです。彼の死亡フラグは回収する予定は今のところありませんので。

そう、大佐は、大総統から錬成魔陣の軍隊プロジェクトを任されました。彼の部下とヒューズにまず教える方向性です。しかし、最初の外伝にて、リザ・ホークアイは、魔術に強制的に目覚めていますので、そのめまぐるしい成果を発揮すると思います。

外伝の回収を次回以降にしていきます。

それではまた。